<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>意匠 | 機械エンジニアリングの基礎</title>
	<atom:link href="https://limit-mecheng.com/tag/%e6%84%8f%e5%8c%a0/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>https://limit-mecheng.com</link>
	<description></description>
	<lastBuildDate>Sat, 13 Dec 2025 12:38:50 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>
	hourly	</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>
	1	</sy:updateFrequency>
	

<image>
	<url>https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/cropped-Icon-32x32.png</url>
	<title>意匠 | 機械エンジニアリングの基礎</title>
	<link>https://limit-mecheng.com</link>
	<width>32</width>
	<height>32</height>
</image> 
	<item>
		<title>機械加工の基礎：ローレット加工</title>
		<link>https://limit-mecheng.com/knurling/</link>
					<comments>https://limit-mecheng.com/knurling/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理者]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 17 Nov 2025 14:28:02 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[加工学]]></category>
		<category><![CDATA[加工機械]]></category>
		<category><![CDATA[ものづくり]]></category>
		<category><![CDATA[ギザギザ]]></category>
		<category><![CDATA[ナーリング]]></category>
		<category><![CDATA[ローレット加工]]></category>
		<category><![CDATA[凹凸]]></category>
		<category><![CDATA[意匠]]></category>
		<category><![CDATA[旋盤]]></category>
		<category><![CDATA[機械加工]]></category>
		<category><![CDATA[滑り止め]]></category>
		<category><![CDATA[金属加工]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://limit-mecheng.com/?p=965</guid>

					<description><![CDATA[ローレット加工は、主に金属製の円筒状または円盤状の工作物の表面に、微細な凹凸のパターンを意図的に形成する加工法です。一般には、ナーリングとも呼ばれます。 この加工の最も主要な工学的な目的は、滑り止め（グリップ）機能の付与 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>ローレット加工は、主に金属製の円筒状または円盤状の工作物の表面に、微細な凹凸のパターンを意図的に形成する加工法です。一般には、ナーリングとも呼ばれます。</p>



<p>この加工の最も主要な工学的な目的は、<strong>滑り止め（グリップ）機能の付与です。手で操作する工具の取っ手、計測機器のダイヤル、機械の操作ノブなど、確実な保持や精密な操作が求められる部分に適用されます。また、その独特のテクスチャを利用した装飾</strong>目的や、圧入部品の<strong>嵌合力</strong>を高める目的で用いられることもあります。</p>



<p>ローレット加工は、旋盤加工の一種として行われることが多いですが、その加工原理は、一般的な切削加工とは大きく異なります。その本質は、材料を「削り取る」ことではなく、高圧によって材料を「押し流す」<strong>塑性変形</strong>にあります。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc1">転造ローレット：塑性変形による成形</span></h3>



<p>ローレット加工には、その原理によって「転造式」と「切削式」の二種類が存在しますが、最も広く採用され、この加工法の本質とも言えるのが<strong><a href="https://limit-mecheng.com/rolling-2/" data-type="link" data-id="https://limit-mecheng.com/rolling-2/">転造</a>ローレット加工</strong>です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">加工の原理</h4>



<p>転造ローレット加工は、材料の<strong>塑性</strong>、すなわち固体が力を受けて永久に変形する性質を利用します。</p>



<ol start="1" class="wp-block-list">
<li><strong>工具</strong>: <strong>ローレット駒</strong>と呼ばれる、非常に硬い工具鋼や高速度工具鋼で作られた、硬質な円盤状のホイールを用います。この駒の外周には、最終的に製品に転写したいパターンの反転形状（山と谷）が、精密に刻まれています。</li>



<li><strong>プロセス</strong>: 旋盤などの工作機械に取り付けた<strong>ホルダ</strong>が、このローレット駒を保持します。工作物を低速で回転させ、そこにローレット駒を、旋盤の送り装置を使って半径方向に強く押し当てます。</li>



<li><strong>塑性流動</strong>: 駒の歯先が工作物の表面に食い込むと、その部分の材料は降伏応力を超え、塑性変形を開始します。このとき、材料は<strong>削り取られるのではなく</strong>、行き場を求めて「押し流され」ます。</li>



<li><strong>山の形成</strong>: 駒の歯先によって押し込まれた材料は、<strong>谷</strong>を形成すると同時に、その両脇へと移動し、駒の谷の部分に対応する位置で<strong>山</strong>として盛り上がります。</li>
</ol>



<p>このように、転造ローレット加工は、材料を除去せずに、圧力によって凹凸を成形する<strong>無切削加工</strong>です。この原理により、以下の工学的な特徴が生まれます。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>材料の無駄がない</strong>: 切り屑が一切発生しないため、材料の歩留まりが非常に高いです。</li>



<li><strong>加工硬化による強度向上</strong>: 冷間での強大な塑性変形を伴うため、加工された表面層は著しい<strong><a href="https://limit-mecheng.com/work-hardening/" data-type="link" data-id="https://limit-mecheng.com/work-hardening/">加工硬化</a></strong>を起こします。これにより、表面の硬度と強度が向上し、耐摩耗性が高まります。</li>



<li><strong>直径の増加</strong>: 材料が盛り上がるため、加工前の直径よりも、山の頂点の直径はわずかに大きくなります。この特性は、圧入部品の嵌合代を確保する目的で、積極的に利用されることがあります。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">切削ローレット：切削による成形</span></h3>



<p>転造ローレット加工とは対照的に、<strong>切削ローレット加工</strong>も存在します。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>原理</strong>: こちらは、転造駒ではなく、鋭利な<strong>切れ刃</strong>を持った切削駒を用います。転造式が「押し付ける」のに対し、切削式は、すくい角や逃げ角が設定された刃物で、材料を実際に「<strong>削り取って</strong>」溝を形成します。</li>



<li><strong>工学的な特徴</strong>:
<ul class="wp-block-list">
<li><strong>切り屑が発生</strong>します。</li>



<li>塑性流動ではなく切削であるため、材料は盛り上がらず、加工後の直径は加工前よりも小さくなります。</li>



<li>転造式のように強大な半径方向の力を必要としないため、<strong>肉薄のパイプ</strong>や、剛性の低い細長い工作物など、転造の圧力では変形してしまう恐れのある部品に適しています。</li>



<li>鋳鉄のように、塑性変形しにくい材料の加工にも用いられます。</li>
</ul>
</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">パターンの種類と工具</span></h3>



<p>ローレット加工で得られるパターンは、主に二種類に大別され、それぞれ使用する駒とホルダが異なります。</p>



<h4 class="wp-block-heading">1. 平目（ひらめ）</h4>



<p>工作物の軸方向に対して、平行な直線状の溝を無数に並べたパターンです。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>工具と加工</strong>: 外周に直線状の歯が刻まれた<strong>平目駒</strong>を一つ用います。これを工作物に押し当て、軸方向に送ることで、連続した溝を転造します。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">2. 綾目（あやめ）</h4>



<p>クロスハッチとも呼ばれる、ひし形やダイヤモンド形の網目状パターンです。滑り止め効果が最も高く、最も一般的に見られる形状です。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>工具と加工</strong>: 綾目加工は、ひし形のパターンが刻まれた一つの駒で行われるのではなく、<strong>ねじれ駒</strong>（はすば歯車状の駒）を一対で用いて創成されます。</li>



<li><strong>工学的な原理</strong>: 専用の<strong>綾目用ホルダ</strong>は、<strong>右ねじれ</strong>の駒と<strong>左ねじれ</strong>の駒を、一対で保持します。この二つの駒を、同時に工作物に押し付けることで、右上がりの螺旋状の溝と、左上がりの螺旋状の溝が、同時に転造されます。この二つの溝が交差することで、綾目（ダイヤモンドパターン）が形成されるのです。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">工学的な管理点と課題</span></h3>



<p>ローレット加工を高品質に仕上げるためには、いくつかの重要な工学的パラメータを精密に管理する必要があります。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>加工速度と送り</strong>: ローレット加工は、切削ではなく塑性変形であるため、加工速度（工作物の周速）は、通常の切削加工に比べて<strong>極めて遅く</strong>設定する必要があります。また、送り速度も、駒のピッチと同期させ、滑らかで均一なパターンが得られるように調整します。</li>



<li><strong>潤滑</strong>: 駒と工作物の間には、極めて高い圧力と摩擦熱が発生します。<strong>潤滑油</strong>の適切な供給は、この熱を冷却し、両者の<strong>凝着</strong>（かじり）を防ぎ、金型である駒の寿命を延ばすために、絶対に不可欠です。</li>



<li><strong>工具の芯高</strong>: ローレット駒の回転軸は、工作物の回転中心（旋盤の芯高）に、正確に一致させる必要があります。この芯高がずれていると、駒が工作物に正しく食い込まず、不完全なパターンや、片側だけが強く当たるなどの不具合が発生します。</li>



<li><strong>工作物の剛性</strong>: 特に転造ローレット加工は、工作物に対して非常に大きな半径方向の力を加えます。そのため、工作物が細長い場合、その圧力に負けて<strong>たわみ</strong>（曲がり）が発生し、加工が失敗するリスクがあります。これを防ぐため、必要に応じて、振れ止め（センター）で工作物の先端を支持するなどの対策が取られます。</li>



<li><strong>ピッチと直径の関係</strong>: の重要な要因が、工作物の円周と、ローレット駒のピッチとの関係です。理想的なパターンを得るためには、工作物の<strong>円周</strong>が、駒のピッチの<strong>整数倍</strong>になることが望まれます。この関係が崩れていると、加工の開始点と終了点（一周してきた点）でパターンが重なったり、ずれたりする「追いつき不良」が発生しやすくなります。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">まとめ</span></h3>



<p>ローレット加工は、その多くが「削る」のではなく「<strong>押し流す</strong>」という、塑性変形の原理に基づいた、巧妙な転造技術です。その本質は、旋盤という機械を用いながら、無切削で、高能率に、製品表面に機能的なテクスチャを付与する点にあります。</p>



<p>平目や綾目といったパターンは、単なる装飾ではなく、人間の手と機械との確実なインターフェースを保証するための、重要な機能設計です。転造による加工硬化や、直径の微増といった副次的な効果も、設計次第で有益な機能として利用されます。高速化・自動化が進む現代の製造業において、ローレット加工は、そのシンプルで確実な機能付与の方法として、今後も変わらず重要な役割を担い続けるでしょう。</p>



<p></p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://limit-mecheng.com/knurling/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>表面処理の基礎：ヘアライン仕上げ</title>
		<link>https://limit-mecheng.com/hl/</link>
					<comments>https://limit-mecheng.com/hl/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理者]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 17 Nov 2025 14:08:27 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[表面処理]]></category>
		<category><![CDATA[つや消し]]></category>
		<category><![CDATA[ステンレス]]></category>
		<category><![CDATA[バフ研磨]]></category>
		<category><![CDATA[ヘアライン仕上げ]]></category>
		<category><![CDATA[意匠]]></category>
		<category><![CDATA[研磨]]></category>
		<category><![CDATA[研磨ベルト]]></category>
		<category><![CDATA[金属加工]]></category>
		<category><![CDATA[高級感]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://limit-mecheng.com/?p=961</guid>

					<description><![CDATA[ヘアライン仕上げは、金属製品の表面に、髪の毛のように細く、一方向に連続した研磨痕を意図的に施す、代表的な表面仕上げ技術です。サテン仕上げとも呼ばれるこの加工法は、単なる研磨とは異なり、機能性と意匠性、すなわちデザイン性を [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>ヘアライン仕上げは、金属製品の表面に、<strong>髪の毛のように細く、一方向に連続した研磨痕</strong>を意図的に施す、代表的な表面仕上げ技術です。サテン仕上げとも呼ばれるこの加工法は、単なる研磨とは異なり、機能性と意匠性、すなわちデザイン性を高いレベルで両立させることを目的としています。</p>



<p>その均一で方向性のある光沢は、金属素材の持つ質感と高級感を最大限に引き出し、同時に指紋や微細な傷を目立ちにくくするという、実用的な利点も兼ね備えています。この解説では、ヘアライン仕上げがどのようにして形成されるのか、その加工原理、工学的な管理点、そして応用分野について詳説します。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc1">加工の原理：制御された一方向の微細研削</span></h3>



<p>ヘアライン仕上げの本質は、無数の<strong>砥粒</strong>による「<strong>制御された引っ掻き傷</strong>」の集合体であると言えます。</p>



<p>鏡面仕上げが、表面の凹凸を極限まで取り除き、あらゆる方向からの光を正反射させることを目指すのに対し、ヘアライン仕上げは、表面に<strong>一方向性の微細な溝</strong>を意図的に形成します。この平行な溝群が、光を一方向にのみ拡散させ、独特の落ち着いた光沢を生み出します。</p>



<p>この加工は、研削加工や研磨加工の一種に分類されますが、その目的は寸法精度を出すことではなく、あくまで表面のテクスチャを創成することにあります。</p>



<p>加工は、研磨剤である砥粒を固定した、ベルト、ホイール、またはブラシを用いて行われます。これらの研磨工具が、工作物に対して<strong>一方向の相対運動</strong>を行うことで、個々の砥粒が工作物表面を微量に削り取り、その軌跡が一本一本の「ヘアライン」として刻まれます。この無数の微細な研削痕が、均一に、かつ平行に集積することで、ヘアライン仕上げ特有のテクスチャが形成されるのです。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">主な加工方法</span></h3>



<p>ヘアライン仕上げを実現するための具体的な工法は、工作物の形状や生産量に応じて使い分けられます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">1. 研磨ベルト方式</h4>



<p>平らな板材や角パイプの量産に最も広く用いられる方法です。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>機構</strong>: エンドレスの<strong>研磨ベルト</strong>（砥粒を塗布したサンドペーパーの帯）を駆動ローラーと従動ローラーに掛け、一定の速度で走行させます。その下を、工作物をコンベアなどで一方向に送るか、あるいはテーブルに固定して往復運動させます。</li>



<li><strong>特徴</strong>: 研磨ベルトの接触面が広いため、大きな面積の板材に対しても、均一でムラのない美しいヘアラインを、高能率で施すことができます。ステンレス鋼板やアルミニウム板の多くが、この方法で加工されています。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">2. 研磨ホイール方式</h4>



<p>円筒状のパイプや、複雑な三次元形状を持つ部品に用いられる方法です。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>機構</strong>: <strong>砥石不織布</strong>（ナイロン不織布に砥粒を含浸させたもの）や、研磨布を放射状に束ねた<strong>フラップホイール</strong>、あるいは<strong>ワイヤブラシ</strong>（ステンレス鋼線や真鍮線）を、回転軸に取り付けて高速回転させます。</li>



<li><strong>特徴</strong>: 工作物を回転させながらホイールに当てることで、パイプの外周に長手方向のヘアラインを施したり、ロボットや作業者の手で、複雑な曲面を持つ部品の表面をなぞるように研磨したりすることができます。柔軟性のある不織布ホイールは、曲面への追従性に優れています。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">3. 乾式と湿式</h4>



<p>これらの加工は、<strong>乾式</strong>と<strong>湿式</strong>の二通りで行われます。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>乾式</strong>: 冷却や潤滑を行わずに加工します。設備が簡便ですが、研磨熱による変形や、砥粒の目詰まりが起こりやすいという欠点があります。</li>



<li><strong>湿式</strong>: 研削液や研磨油といった加工液を供給しながら加工します。加工液は、冷却、潤滑、そして切り屑の除去という重要な役割を果たします。これにより、より深く、シャープで、均一な研磨痕を得ることができ、仕上がりの品位が向上します。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">工学的な管理パラメータ</span></h3>



<p>ヘアライン仕上げの「仕上がり」は、単なる見た目の問題ではなく、いくつかの工学的なパラメータによって精密に管理されています。</p>



<h4 class="wp-block-heading">1. 砥粒の選定と粒度</h4>



<p>最も重要な管理項目です。使用する砥粒の<strong>粒度</strong>（粗さ、番手）が、ヘアラインの粗さ、深さ、そして光沢度を直接決定します。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>砥粒の種類</strong>: アルミニウム合金には<strong>炭化ケイ素</strong>（SiC）、ステンレス鋼には<strong>酸化アルミニウム</strong>（アルミナ、A）が一般的に用いられます。</li>



<li><strong>粒度</strong>: JIS規格などで定められた「番手」（#）で管理されます。
<ul class="wp-block-list">
<li><strong>#80 ～ #150</strong>: 粗い仕上がり。明確で深いラインが特徴。</li>



<li><strong>#240 ～ #320</strong>: 最も標準的なヘアライン。シャープなラインと適度な光沢。</li>



<li><strong>#400 ～ #600</strong>: 非常に微細な仕上がり。光沢が強くなり、鏡面仕上げに近づく。「サテン仕上げ」とも呼ばれる。</li>
</ul>
</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">2. 表面粗さ</h4>



<p>加工の結果として得られる表面の状態は、<strong>表面粗さ測定機</strong>を用いて定量的に評価されます。<strong>Ra</strong>（算術平均粗さ）や<strong>Rz</strong>（最大高さ粗さ）といったパラメータで管理され、例えば「Ra 0.5μm以下」といった形で、製品仕様として規定されます。ヘアライン仕上げは、表面粗さのグラフで見ると、一定の周期を持つノコギリ歯状のパターンを示すのが特徴です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">3. 研磨速度と送り速度</h4>



<p>研磨ベルトやホイールの周速、そして工作物の送り速度も、仕上がりに影響を与えます。速度が速すぎると研磨痕が浅くなり、遅すぎると深くなりすぎる傾向があるため、粒度とのバランスを見て最適化されます。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">ヘアライン仕上げの工学的利点</span></h3>



<p>金属の表面仕上げとして、ヘアライン仕上げが広く採用される理由は、その意匠性だけではありません。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>1. 意匠性と質感の向上</strong>: 金属光沢を適度に抑えつつ、一方向のシャープなラインが、製品に高級感、重厚感、そして精密感を与えます。光が当たる角度によって表情が変わる、深みのある質感が得られます。</li>



<li><strong>2. 傷の隠蔽性（スクラッチリデュース）</strong>: これが機能面での最大の利点です。鏡面仕上げの場合、わずか一本の引っ掻き傷が、極めて目立ってしまいます。一方、ヘアライン仕上げは、それ自体が傷の集合体であるため、<strong>仕上げの方向と平行な、軽微な傷は、ほとんど目立ちません</strong>。また、異なる角度で付いた傷であっても、仕上げのテクスチャによってカモフラージュされ、目立ちにくくなります。</li>



<li><strong>3. 指紋や汚れの隠蔽性</strong>: 鏡面や均一な梨地仕上げに比べ、指紋や油脂汚れが付着しても、研磨痕の凹凸によって目立ちにくいという実用的な効果があります。</li>



<li><strong>4. 乱反射の防止</strong>: 光を一定方向に拡散させるため、眩しいギラつき（グレア）を抑え、落ち着いた光沢となります。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">主な適用材料と応用分野</span></h3>



<p>ヘアライン仕上げは、金属の質感を活かす加工であるため、適用される材料は主にステンレス鋼とアルミニウム合金です。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>ステンレス鋼</strong>: SUS304が最も代表的です。その高い耐食性と、ヘアラインによる美しい仕上がりの組み合わせは、多くの分野で標準となっています。</li>



<li><strong>アルミニウム合金</strong>: 軽量性を活かし、<a href="https://limit-mecheng.com/alumite/" data-type="link" data-id="https://limit-mecheng.com/alumite/">陽極酸化処理（アルマイト）</a>と組み合わせられることが多くあります。アルマイトの前にヘアラインを施すことで、アルミニウム特有の白っぽい光沢を活かした、高級感のある仕上がりが得られます。</li>
</ul>



<p><strong>主な応用分野</strong>:</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>建築・建材</strong>: エレベーターの扉、エスカレーターの側壁、手すり、ドアハンドル、建物の内外装パネル </li>



<li><strong>厨房機器</strong>: キッチンのシンク、レンジフード、業務用冷蔵庫の扉</li>



<li><strong>家電・AV機器</strong>: 冷蔵庫、洗濯機の筐体、オーディオ機器のフロントパネル、PCケース </li>



<li><strong>自動車関連</strong>: 内装の装飾パネル、マフラーカッター、アルミホイール </li>



<li><strong>その他</strong>: 腕時計のケースやブレスレット、筆記具、スーツケース </li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">まとめ</span></h3>



<p>ヘアライン仕上げは、単に金属の表面を研磨するだけの単純な作業ではなく、砥粒の選定から運動の制御に至るまで、多くの工学的知見に基づいて行われる、高度な<strong>テクスチャ創成技術</strong>です。</p>



<p>その本質は、金属材料が持つ美しさを、一方向の制御されたラインによって最大限に引き出すと同時に、傷や指紋を目立たなくするという、<strong>意匠性</strong>と<strong>実用性</strong>の稀有な両立にあります。この優れたバランスこそが、ヘアライン仕上げを、工業デザインにおける最も重要で、最も広く愛される表面処理技術の一つたらしめている理由なのです。</p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://limit-mecheng.com/hl/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
	</channel>
</rss>
