<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>薄板 | 機械エンジニアリングの基礎</title>
	<atom:link href="https://limit-mecheng.com/tag/%e8%96%84%e6%9d%bf/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>https://limit-mecheng.com</link>
	<description></description>
	<lastBuildDate>Mon, 29 Dec 2025 23:34:00 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>
	hourly	</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>
	1	</sy:updateFrequency>
	

<image>
	<url>https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/cropped-Icon-32x32.png</url>
	<title>薄板 | 機械エンジニアリングの基礎</title>
	<link>https://limit-mecheng.com</link>
	<width>32</width>
	<height>32</height>
</image> 
	<item>
		<title>機械加工の基礎：シャーリング加工</title>
		<link>https://limit-mecheng.com/shirring/</link>
					<comments>https://limit-mecheng.com/shirring/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理者]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 09 Nov 2025 01:27:52 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[加工学]]></category>
		<category><![CDATA[加工機械]]></category>
		<category><![CDATA[せん断]]></category>
		<category><![CDATA[ものづくり]]></category>
		<category><![CDATA[シャーリングマシン]]></category>
		<category><![CDATA[シャーリング加工]]></category>
		<category><![CDATA[プレス加工]]></category>
		<category><![CDATA[レーザー切断]]></category>
		<category><![CDATA[切断加工]]></category>
		<category><![CDATA[板金加工]]></category>
		<category><![CDATA[薄板]]></category>
		<category><![CDATA[金属加工]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://limit-mecheng.com/?p=906</guid>

					<description><![CDATA[シャーリング加工は、板金加工において、金属の板材を所定の寸法に直線的にせん断（切断）するための、最も基本的で高能率な加工法です。一般にシャーとも呼ばれます。 この加工法の工学的な本質は、ハサミが紙を切る原理を、金属板に対 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>シャーリング加工は、板金加工において、金属の板材を所定の寸法に<strong>直線的</strong>に<strong>せん断</strong>（切断）するための、最も基本的で高能率な加工法です。一般に<strong>シャー</strong>とも呼ばれます。</p>



<p>この加工法の工学的な本質は、ハサミが紙を切る原理を、金属板に対して、より強力かつ精密に応用した点にあります。すなわち、<strong>上刃</strong>と<strong>下刃</strong>と呼ばれる一対の直線状の刃物（ブレード）の間に板材を挟み込み、一方の刃をもう一方の刃に対して平行に、あるいはわずかな角度を持たせて通過させることで、材料の<strong>せん断強度</strong>の限界を超える応力を発生させ、物理的に切断します。</p>



<p>この技術は、レーザー切断やプラズマ切断のような熱的切断とは異なり、熱による影響（歪みや組織変性）がほとんどなく、切削加工のような切りくずも発生しません。その圧倒的な加工速度と経済性から、あらゆる板金製造プロセスにおける「<strong>材料取り（ブランク加工）</strong>」の第一工程として、不可欠な基幹技術となっています。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc1">せん断の物理的原理</span></h3>



<p>シャーリングによる切断は、瞬時に行われるように見えますが、ミクロの視点で見ると、材料の内部では「<strong>弾性変形</strong>」「<strong>塑性変形</strong>」「<strong>せん断</strong>」「<strong>破断</strong>」という、四つの連続した物理現象が起こっています。</p>



<h4 class="wp-block-heading">1. 弾性変形</h4>



<p>まず、上刃が下降し、板材に接触すると、材料は刃の圧力でわずかにたわみます。この段階では、力（応力）が材料の降伏点を下回っており、もし刃を離せば、材料は元の形状に戻ります。</p>



<h4 class="wp-block-heading">2. 塑性変形</h4>



<p>さらに刃が食い込むと、応力は降伏点を超え、材料は元に戻らない永久変形、すなわち<strong>塑性変形</strong>を開始します。この時、刃が食い込んだ板材の上下の角には、丸みを帯びた「<strong>ダレ</strong>」と呼ばれる形状が形成されます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">3. せん断</h4>



<p>上刃と下刃の先端部に応力が最大に集中します。材料は、この二つの刃先を結ぶ「<strong>せん断面</strong>」に沿って、激しい塑性流動を起こします。この段階で、材料内部では微細な亀裂（クラック）が発生し始めます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">4. 破断</h4>



<p>最終的に、上下の刃先から発生した亀裂が、材料の内部で繋がり、材料は完全に<strong>破断</strong>して分離します。</p>



<h4 class="wp-block-heading">せん断面の工学的特徴</h4>



<p>この一連のプロセスを経た切断面には、シャーリング加工特有の特徴が現れます。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>ダレ</strong>: 塑性変形によって生じた、切断エッジの丸みを帯びた部分。</li>



<li><strong>せん断面</strong>: 刃によって押し切られた、比較的滑らかで光沢のある面。</li>



<li><strong>破断面</strong>: 亀裂が進展して引きちぎられた、粗く、光沢のない面。</li>



<li><strong>バリ</strong>: 破断の最後に、材料が押し出されて形成される、エッジの鋭い突起。</li>
</ul>



<p>高品質なシャーリング加工とは、この「ダレ」と「バリ」を最小限に抑え、「せん断面」の割合をできるだけ大きく、かつ均一に制御することに他なりません。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">品質を支配する主要パラメータ</span></h3>



<p>シャーリング加工の品質は、いくつかの重要な工学的パラメータによって決定づけられます。その中でも、<strong>クリアランス</strong>の管理は、最も重要です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">1. クリアランス</h4>



<p><strong>クリアランス</strong>とは、<strong>上刃と下刃の間の、水平方向の隙間</strong>を指します。この隙間の大きさが、前述のせん断面の品質と、バリの発生量を直接的に決定します。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>クリアランスが最適（適正）な場合</strong>: 上刃と下刃から発生した二つの亀裂が、きれいに一直線上で出会い、最小限の力で、クリーンな破断面が形成されます。バリの発生も最小限に抑えられます。</li>



<li><strong>クリアランスが小さすぎる場合</strong>: 上下からの亀裂が、すれ違うようにして発生します。これにより、二つのせん断面が形成される「二次せん断」という現象が起こり、切断面がささくれたようになります。また、刃が材料を無理やり引きちぎる形になるため、切断抵抗が異常に増大し、刃の摩耗や欠けを急速に早めます。</li>



<li><strong>クリアランスが大きすぎる場合</strong>: 材料は、刃で「切られる」のではなく、二つの刃の間に「引きずり込まれる」ようになります。これにより、非常に大きな「ダレ」と「バリ」が発生し、切断面は大きく傾き、寸法精度も著しく悪化します。</li>
</ul>



<p><strong>最適なクリアランスは、材料の材質と板厚によって決まります</strong>。一般に、軟らかい材料（軟鋼、アルミニウム）は板厚の5～10%、硬い材料（ステンレス鋼、高張力鋼）は板厚の10～12%程度が目安とされますが、これは経験と試験によって決定される、各工場の重要なノウハウです。</p>



<h4 class="wp-block-heading">2. レーキ角</h4>



<p><strong>レーキ角</strong>とは、<strong>下刃に対する上刃の傾斜角度</strong>です。 シャーリング加工では、上刃と下刃は完全には平行ではなく、上刃には「傾き」が付けられています。これは、ハサミが支点を中心に徐々に切断していくのと同じ原理です。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>目的</strong>: もしレーキ角がゼロ（平行）であれば、切断長さの全域にわたって、一度にせん断力が発生するため、プレス機械には莫大な動力が必要となります。レーキ角を設けることで、切断が端から順次進行するため、<strong>最大切断荷重を大幅に低減</strong>することができます。</li>



<li><strong>工学的な課題</strong>: レーキ角の代償として、切断された板材には「<strong>ねじれ</strong>」や「<strong>反り</strong>」が発生しやすくなります。特に、幅の狭い板材を切り出す際には、この変形が顕著になるため、レーキ角は、機械の能力と製品の要求品質とのバランスを見て、適切に設定する必要があります。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">シャーリングマシンの構造</span></h3>



<p>シャーリング加工は、<strong>シャーリングマシン</strong>と呼ばれる専用の工作機械で行われます。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>フレーム</strong>: 上刃と下刃を保持し、切断時の強大な力に耐える、機械の本体です。</li>



<li><strong>上刃とラム</strong>: 上刃は、<strong>ラム</strong>と呼ばれる、上下に往復運動する可動部に取り付けられます。</li>



<li><strong>下刃とテーブル</strong>: 下刃は、<strong>テーブル</strong>と呼ばれる固定台に設置されます。</li>



<li><strong>駆動機構</strong>: ラムを駆動する方式によって、機械は二分されます。
<ul class="wp-block-list">
<li><strong>機械式シャー</strong>: モーターの回転を、フライホイールとクラッチ、クランク機構を介して、ラムの上下運動に変換します。加工速度が非常に速く、薄板の高速・大量生産に適しています。</li>



<li><strong>油圧式シャー</strong>: 油圧シリンダーの力で、ラムを直接駆動します。加工速度は機械式に劣りますが、加圧力の制御が容易であり、ストローク長も可変にできるため、板厚の厚い「厚板」の切断に広く用いられます。</li>
</ul>
</li>



<li><strong>押さえ装置</strong>: 切断の瞬間、板材が動いたり、浮き上がったりするのを防ぐため、上刃のすぐ手前には、<strong>押さえ</strong>と呼ばれる、多数の油圧パッドや機械式クランプが配置されています。これらが、切断直前に、板材をテーブルに強力に固定します。</li>



<li><strong>バックゲージ</strong>: 切断する寸法を決定するための、最も重要な<strong>位置決め装置</strong>です。刃の後方に設置された、可動式の「突き当て定規」であり、作業者は、このバックゲージに板材を突き当てるだけで、常に正確な寸法で材料を切り出すことができます。現代の機械では、このバックゲージはNC制御され、0.1ミリ単位での精密な寸法設定が可能です。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">シャーリング加工の工学的地位</span></h3>



<h4 class="wp-block-heading">長所</h4>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>圧倒的な加工速度</strong>: 一度のストロークで、数メートルに及ぶ直線を、わずか数秒で切断できます。</li>



<li><strong>高い経済性</strong>: レーザー加工のような高額な設備投資や、切削加工のような大量の切りくず（材料ロス）がありません。工具である刃の寿命も長く、ランニングコストが非常に安価です。</li>



<li><strong>熱影響がない</strong>: 熱を使わない冷間加工であるため、熱による歪みや、材料の組織が変化する熱影響部が一切発生しません。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">短所</h4>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>直線限定</strong>: 原理的に、直線状の切断しかできません。曲線や複雑な輪郭の切り抜きは不可能です。</li>



<li><strong>バリと歪みの発生</strong>: バリの発生は、程度の差こそあれ、避けることができません。また、レーキ角に起因する、ねじれや反りといった歪みも、必ず発生します。</li>



<li><strong>厚板の限界</strong>: 板厚が厚くなればなるほど、必要な切断力は指数関数的に増大するため、超厚板の切断には適しません。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">製造工程における役割</h4>



<p>これらの特徴から、シャーリング加工は、製造プロセスにおける<strong>最初の工程</strong>、すなわち「<strong>ブランク加工</strong>」として位置づけられます。</p>



<p>工場に納入された巨大な鋼板（定尺材）を、まずシャーリングマシンで、後工程に必要な、より小さな四角形や短冊状の板（ブランク）へと切り出します。このブランクが、次のプレスブレーキによる「曲げ加工」、あるいはタレットパンチプレスやレーザー加工機による「抜き加工」へと送られていくのです。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>




  <div id="toc" class="toc tnt-number tnt-number border-element"><div class="toc-title">目次</div>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><ol><li><a href="#toc1" tabindex="0">せん断の物理的原理</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">品質を支配する主要パラメータ</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">シャーリングマシンの構造</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">シャーリング加工の工学的地位</a></li></ol></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">まとめ</a></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc5">まとめ</span></h2>



<p>シャーリング加工は、ハサミの原理を工業的に発展させた、<strong>せん断</strong>という物理現象に基づく、最も基本的で高能率な板金切断技術です。その成功は、<strong>クリアランス</strong>や<strong>レーキ角</strong>といった、工学的なパラメータの精密な制御にかかっています。</p>



<p>複雑な形状を生み出すことはできませんが、その圧倒的な速度と経済性により、あらゆる板金製品の製造プロセスにおいて、<strong>素材を切り出す</strong>という、最も重要で、最も大量に行われる作業を、力強く支えています。シャーリング加工は、まさに現代の板金製造業の「出発点」を司る、不可欠なテクノロジーなのです。</p>



<p></p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://limit-mecheng.com/shirring/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>機械加工の基礎：バーリング加工</title>
		<link>https://limit-mecheng.com/burring/</link>
					<comments>https://limit-mecheng.com/burring/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理者]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 02 Nov 2025 07:06:04 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[加工学]]></category>
		<category><![CDATA[ねじ]]></category>
		<category><![CDATA[タップ加工]]></category>
		<category><![CDATA[バーリング加工]]></category>
		<category><![CDATA[フランジ]]></category>
		<category><![CDATA[プレス加工]]></category>
		<category><![CDATA[塑性加工]]></category>
		<category><![CDATA[板金加工]]></category>
		<category><![CDATA[穴加工]]></category>
		<category><![CDATA[薄板]]></category>
		<category><![CDATA[金型]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://limit-mecheng.com/?p=814</guid>

					<description><![CDATA[バーリング加工は、主に薄い金属板に下穴と呼ばれる貫通穴をあけ、その穴の縁を塑性変形によって引き延ばし、円筒状のフランジ（襟）を成形するプレス加工法の一種です。この加工は、成形される形状から穴フランジ加工、あるいは材料が引 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>バーリング加工は、主に薄い金属板に<strong>下穴</strong>と呼ばれる貫通穴をあけ、その穴の縁を<strong>塑性変形</strong>によって引き延ばし、円筒状の<strong>フランジ</strong>（襟）を成形するプレス加工法の一種です。この加工は、成形される形状から<strong>穴フランジ加工</strong>、あるいは材料が引き延ばされる様子から<strong>穴広げ加工</strong>とも呼ばれます。</p>



<p>この技術の工学的な本質は、単なる穴あけではなく、二次元のシート材から三次元の機能的な形状、すなわち「<strong>ボス</strong>」や「<strong>カラー</strong>」を、切削や溶接といった後工程を経ずに一体で創り出す点にあります。この加工によって得られる円筒状のフランジは、主に二つの重要な目的のために利用されます。一つは、軸受の案内面や部品の位置決め基準として、もう一つは、薄板では不十分な<strong>ねじ山</strong>の長さを確保するためのねじ立て（タッピング）の下地としてです。特に後者の目的での使用は、自動車、家電、電子機器の筐体など、薄板板金で構成される製品の組立において、極めて重要な役割を果たしています。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc1">加工の原理：塑性変形によるフランジの創成</span></h3>



<p>バーリング加工は、その多くがプレス機械を用いて行われ、そのプロセスは、材料の<strong>せん断</strong>と<strong>塑性流動</strong>という二つの異なる物理現象の組み合わせによって成り立っています。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img fetchpriority="high" decoding="async" width="1024" height="337" src="https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/バーリング-1024x337.png" alt="" class="wp-image-859" style="width:644px;height:auto" srcset="https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/バーリング-1024x337.png 1024w, https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/バーリング-300x99.png 300w, https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/バーリング-768x253.png 768w, https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/バーリング.png 1155w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<h4 class="wp-block-heading">第1段階：下穴のせん断加工</h4>



<p>バーリング加工の品質を決定づける最も重要な前提条件が、フランジを成形するための「<strong>下穴</strong>」です。この下穴の作り方によって、成形できるフランジの高さや品質が大きく左右されます。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>プレス加工による下穴</strong>: 最も一般的な方法です。<a href="https://limit-mecheng.com/press/" data-type="link" data-id="https://limit-mecheng.com/press/">プレス加工</a>の工程内で、パンチとダイによる<strong>せん断加工</strong>によって下穴をあけます。この方法で得られる穴の断面は、滑らかな「<strong>せん断面</strong>」と、引きちぎられた粗い「<strong>破断面</strong>」で構成されます。この粗い破断面は、微細な亀裂の起点となりやすく、後のバーリング工程でフランジの縁が割れる（<strong>割れ</strong>）原因となります。</li>



<li><strong>ドリル加工による下穴</strong>: ドリルによる切削で下穴をあける方法です。穴の断面は全てがせん断面となり、破断面が存在しないため、材料の延性を最大限に引き出すことができ、より高いフランジを成形できます。しかし、プレス工程とは別に穴あけ工程が必要となるため、コストが高くなります。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">第2段階：フランジの成形（穴広げ）</h4>



<p>下穴があけられた後、<strong>バーリングパンチ</strong>と呼ばれる、先端が円錐形やR形状になった凸型の工具を、下穴に押し込みます。この時の材料の挙動は、大きく二つの領域に分けられます。</p>



<ol start="1" class="wp-block-list">
<li><strong>曲げ変形領域</strong>: パンチが下穴に接触し始めると、まず穴の縁がパンチの形状に沿って、下方向に<strong>曲げ</strong>られます。</li>



<li><strong>引張変形領域</strong>: さらにパンチが押し込まれると、曲げられた材料は、円周方向（フープ方向）に強い<strong>引張応力</strong>を受けながら、径方向に引き伸ばされていきます。これが<strong>穴広げ</strong>のプロセスです。フランジの壁となる材料は、主にこの引張変形によって供給されます。</li>
</ol>



<p>このとき、フランジの縁の部分では、材料が最も強く引き伸ばされるため、板厚が著しく減少します（<strong>板厚減少</strong>）。一方、フランジの根元に近い部分は、パンチの側面とダイの穴との隙間（クリアランス）によって「<strong>しごき</strong>」作用を受け、板厚がわずかに調整されます。</p>



<p>このように、バーリング加工は、材料のせん断、曲げ、そして引張という、複数の複雑な塑性変形が、極めて局所的な領域で同時に進行する、高度な成形技術なのです。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">工学的な課題と品質管理</span></h3>



<p>バーリング加工は、材料をその限界まで引き伸ばす過酷な加工であるため、いくつかの工学的な課題が存在し、その管理が品質を左右します。</p>



<h4 class="wp-block-heading">最大の課題：フランジ縁の「割れ」</h4>



<p>バーリング加工で最も多く発生する不具合が、フランジの先端が裂ける「<strong>割れ</strong>」です。これは、穴の縁に作用する円周方向の引張応力が、材料の延性の限界（破断伸び）を超えたときに発生します。</p>



<p>この割れの発生を左右する最大の要因が、<strong>下穴の品質</strong>です。前述の通り、プレスで打ち抜かれた下穴の破断面は、すでに微細な損傷を受けているため、そこが応力集中の起点となり、ドリルであけた穴に比べて、遥かに低いフランジ高さで割れに至ります。</p>



<p>この問題を解決し、プレス加工の高能率を維持したまま、より高いフランジを得るために、「しごき抜き」と呼ばれる特殊な下穴加工法が用いられることがあります。これは、下穴を抜くパンチの先端に丸みをつけ、クリアランスを極端に小さくすることで、意図的に材料をしごき、破断面の割合が極めて小さい、滑らかなせん断面を持つ下穴を得る技術です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">穴広げ限界と材料選定</h4>



<p>材料が、割れを発生させずにどれだけ大きく穴を広げられるかを示す指標を、<strong>穴広げ限界</strong>と呼びます。この特性は、材料の<strong>延性</strong>に直結します。アルミニウムや銅、軟鋼といった延性に富む材料はバーリング加工に適していますが、ステンレス鋼や<a href="https://limit-mecheng.com/hss/" data-type="link" data-id="https://limit-mecheng.com/hss/">高張力鋼板</a>といった、硬く延性の低い材料の加工は非常に困難となります。</p>



<h4 class="wp-block-heading">板厚減少の制御</h4>



<p>バーリングによって成形されたフランジの壁は、必ず元の板厚よりも薄くなります。特にフランジの先端部では、板厚減少が著しくなります。ねじ立てを目的とする場合、この先端の板厚が、ねじ山の高さを確保できるだけ残っているかどうかが、締結強度を保証する上で重要となります。パンチの先端形状や、ダイとのクリアランスを最適化することで、この板厚減少をある程度コントロールすることが求められます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">潤滑</h4>



<p>パンチと材料の間には、成形中に極めて高い圧力と摩擦が発生します。適切な<strong>潤滑</strong>は、この摩擦を低減し、材料の流動を助け、割れの発生を防ぐと同時に、パンチへのかじり（金属の溶着）を防ぎ、金型寿命を延ばすためにも不可欠です。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">主な応用：薄板へのねじ立て</span></h3>



<p>バーリング加工の最も重要かつ広範な応用は、薄板板金へのねじ立て（タッピング）です。</p>



<p>例えば、厚さ1ミリメートルの鋼板に、そのままM4のねじ穴を加工しても、ねじ山は1〜2山程度しか形成できず、十分な締結強度が得られません。しかし、バーリング加工を施して、高さ3ミリメートルの円筒フランジを成形し、そこにねじ立てを行えば、規格通りのねじ山を確保でき、ナットを使った場合と同等の、信頼性の高い締結が可能となります。</p>



<p>このように、バーリング加工は、<strong>ナットという別部品を不要にする</strong>技術であり、部品点数の削減、組み立て工程の簡素化、そして製品全体の軽量化とコストダウンに、絶大な効果をもたらします。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>




  <div id="toc" class="toc tnt-number tnt-number border-element"><div class="toc-title">目次</div>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><ol><li><a href="#toc1" tabindex="0">加工の原理：塑性変形によるフランジの創成</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">工学的な課題と品質管理</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">主な応用：薄板へのねじ立て</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">まとめ</a></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">まとめ</span></h2>



<p>バーリング加工は、プレス加工という高能率な生産技術の中で、薄いシート材から、機能的な三次元形状を引き出す、洗練された塑性加工法です。その本質は、材料の延性というポテンシャルを、下穴の品質管理と、最適な金型設計によって、限界まで引き出すことにあります。</p>



<p>割れや板厚減少といった工学的な課題を克服することで得られる、一体成形の円筒フランジは、部品点数を削減し、製品の信頼性を高めるための強力なソリューションを提供します。現代の工業製品の多くが、この目立たないながらも巧妙な加工技術によって、その機能と経済性を支えられているのです。</p>



<p></p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://limit-mecheng.com/burring/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>機械加工の基礎：シーム溶接</title>
		<link>https://limit-mecheng.com/seam-welding/</link>
					<comments>https://limit-mecheng.com/seam-welding/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理者]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 27 Oct 2025 14:08:52 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[加工学]]></category>
		<category><![CDATA[ものづくり]]></category>
		<category><![CDATA[シーム溶接]]></category>
		<category><![CDATA[スポット溶接]]></category>
		<category><![CDATA[タンク]]></category>
		<category><![CDATA[抵抗溶接]]></category>
		<category><![CDATA[接合]]></category>
		<category><![CDATA[気密性]]></category>
		<category><![CDATA[液密性]]></category>
		<category><![CDATA[溶接]]></category>
		<category><![CDATA[薄板]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://limit-mecheng.com/?p=773</guid>

					<description><![CDATA[シーム溶接は、重ね合わせた金属板を円盤状の電極で挟み込み、加圧しながら回転させて通電することで、連続的な溶接部を形成する抵抗溶接の一種です。英語ではResistance Seam Weldingと呼ばれます。 自動車の燃 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>シーム溶接は、重ね合わせた金属板を円盤状の電極で挟み込み、加圧しながら回転させて通電することで、連続的な溶接部を形成する抵抗溶接の一種です。英語ではResistance Seam Weldingと呼ばれます。</p>



<p>自動車の燃料タンクやマフラー、ドラム缶、石油ストーブのタンク、そして缶詰の缶など、気密性や水密性が求められる容器状の製品製造において、この技術は不可欠な役割を果たしています。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc1">基本原理とジュール熱の制御</span></h3>



<p>シーム溶接の物理的な基礎は、スポット溶接と同様にジュールの法則に基づいています。</p>



<h4 class="wp-block-heading">接触抵抗と発熱</h4>



<p>金属板同士を重ね合わせ、上下から銅合金製の円盤電極、すなわち電極輪で挟み込みます。ここに大電流を流すと、電気抵抗が最も高い部分、つまり金属板同士の接触面で集中的に発熱が起こります。この熱によって金属が溶融し、ナゲットと呼ばれる碁石状の溶融凝固部が形成されます。 シーム溶接の最大の特徴は、電極が回転しながら移動することにあります。これにより、発生したナゲットが冷え固まる前に次のナゲットがその一部に重なるように形成されます。このナゲットの重なり合いを連続させることで、気体や液体が通過できない完全なシール状態を作り出します。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" width="703" height="554" src="https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/シーム溶接-1.jpg" alt="" class="wp-image-1158" style="width:326px;height:auto" srcset="https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/シーム溶接-1.jpg 703w, https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/シーム溶接-1-300x236.jpg 300w" sizes="(max-width: 703px) 100vw, 703px" /></figure>



<h4 class="wp-block-heading">分流現象 シャント効果</h4>



<p>技術的な観点から、シーム溶接がスポット溶接と決定的に異なる点は、分流現象への考慮が必要なことです。 スポット溶接では単独の点を溶接しますが、シーム溶接では直前に溶接した箇所がすでに金属的に結合しており、電気の良導体となっています。そのため、次に流そうとする電流の一部が、溶接しようとしている箇所ではなく、すでに溶接された後方の部分へ漏れて流れてしまいます。これを無効分流あるいはシャント電流と呼びます。 </p>



<p>この分流によって、実際に溶接に寄与する有効電流が減少してしまいます。したがって、シーム溶接ではスポット溶接に比べて、およそ1.5倍から2倍程度の大きな電流を投入する必要があります。このエネルギー効率と発熱制御のバランスが、プロセス設計における重要な課題となります。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">通電方式とナゲット形成の制御</span></h3>



<p>連続的に移動する電極に対して、どのように電流を流すかによって、溶接の品質と特性が変化します。</p>



<h4 class="wp-block-heading">断続通電方式</h4>



<p>最も一般的に用いられるのが断続通電です。電極輪は一定速度で回転し続けますが、電流はずっと流しっぱなしではありません。電流を流す通電時間（ヒートタイム）と、電流を止める休止時間（クールタイム）を交互に繰り返します。 このオンとオフのサイクルにより、個々のナゲットが形成されます。休止時間は、電極や被溶接材の過熱を防ぎ、加圧力を維持したまま冷却して凝固を促進する役割を果たします。 ナゲット同士の重なり具合は、電極の回転速度と通電サイクルの同期によって決定されます。気密性を確保するためには、通常、ナゲット径の30パーセント以上の重なりが必要とされます。逆に、重なりをなくして間隔を空ければ、連続的な点溶接であるロールスポット溶接となり、仮止めや歪みを抑えたい場合に利用されます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">連続通電方式</h4>



<p>電流を遮断せずに連続的に流し続ける方式です。連続的なビードが形成されるため、高速溶接が可能ですが、熱が蓄積しやすく、板表面が過熱して焼けや歪みが発生しやすくなります。そのため、薄板の高速溶接など、限られた用途で採用されます。近年では、インバータ制御電源の進化により、極めて短い周期での制御が可能となり、断続通電でも連続通電に近い滑らかな溶接が可能になっています。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">マッシュシーム溶接と特殊プロセス</span></h3>



<p>通常のシーム溶接は、板を重ね合わせたラップシーム溶接と呼ばれますが、これには接合部に板厚の2倍の段差ができるという欠点があります。これを解消する高度な技術がマッシュシーム溶接です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">塑性流動による段差解消</h4>



<p>マッシュシーム溶接では、板の重ね代を板厚の1.5倍程度と極めて小さく設定します。溶接時には、通常のシーム溶接よりも高い加圧力と電流を加えながら、幅の広い平坦な電極輪でこの重ね合わせ部を押し潰します。 「マッシュ」とは「すり潰す」という意味であり、溶融に近い状態の金属を塑性流動させ、段差を押し均しながら接合します。結果として、接合部の板厚は母材の1.2倍から1.5倍程度まで薄くなり、段差の少ないフラットな仕上がりとなります。 </p>



<p>この技術は、家電製品の外板や自動車のボディパネルなど、溶接後の美観が求められる箇所や、他の部品との干渉を避けたい箇所で多用されます。また、鉄鋼業界の連続コイル処理ラインにおいて、コイルの尾端と次のコイルの先端を繋ぐ際にも、次工程のロールを傷めない平滑な継ぎ手として利用されます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">バットシーム溶接</h4>



<p>板の端面同士を突き合わせて溶接する方式です。主に鋼管製造、いわゆる電縫管（ERW管）の製造プロセスで用いられます。帯状の鋼板をロール成形して円筒状にし、その合わせ目に高周波電流を流して加熱、加圧ローラーで圧接します。原理的にはシーム溶接の親戚にあたりますが、電極輪を使わずに誘導加熱や接触通電を用いる点で設備構成が異なります。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">電極輪の材料と管理技術</span></h3>



<p>シーム溶接機において、電極輪は電流を供給するコンタクトチップであり、圧力を伝えるプレス治具であり、そして熱を奪うヒートシンクでもあります。この過酷な役割を担う電極の管理が、品質安定の鍵を握ります。</p>



<h4 class="wp-block-heading">電極材料の選定</h4>



<p>電極輪には、高い電気伝導度と熱伝導度、そして高温下でも変形しにくい強度が求められます。一般的には、クロム銅やジルコニウム銅などの析出硬化型銅合金が使用されます。被溶接材がステンレス鋼や耐熱鋼のように強度が高く電気抵抗も高い場合は、より硬度の高いベリリウム銅などが選定されることもあります。</p>



<h4 class="wp-block-heading">冷却システム</h4>



<p>連続的な大電流による発熱から電極と機械を守るため、強力な冷却が不可欠です。 最も一般的なのは外部注水冷却で、溶接点と電極に直接冷却水をかけます。冷却効率は高いですが、ワークが濡れるため、錆や汚れの問題があります。 一方、内部水冷方式は、電極輪の内部や軸受部分に冷却水を通す構造です。ワークを濡らさずに済みますが、構造が複雑になり、溶接点への直接的な冷却効果は劣ります。用途に応じてこれらを使い分け、あるいは併用します。</p>



<h4 class="wp-block-heading">電極の摩耗とドレッシング</h4>



<p>数千メートルもの溶接を行うと、電極輪の表面は摩耗し、変形し、汚れが付着します。電極の接触幅が広がると、電流密度が低下して溶接不良を引き起こします。 これを防ぐため、多くのシーム溶接機には、溶接中に常に電極輪の側面や外周をバイトで切削し、形状を整える整形機構、いわゆるナール駆動方式やフリクション駆動方式が備わっています。これにより、常に清浄で一定の形状を持った電極面で溶接を行うことが可能となります。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">被溶接材による挙動の違い</span></h3>



<p>シーム溶接の難易度は、材料の物理的特性によって劇的に変化します。</p>



<h4 class="wp-block-heading">軟鋼</h4>



<p>最も溶接しやすい材料です。適度な電気抵抗と広い塑性温度域を持つため、条件設定の許容範囲が広く、安定した気密溶接が可能です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">亜鉛めっき鋼板</h4>



<p>自動車の燃料タンクなどで多用されますが、難易度は高い材料です。表面の亜鉛は融点が低く（約420度）、溶接熱で瞬時に蒸発したり、電極輪に付着して銅と合金化し、黄銅層を形成したりします。 電極表面が汚染されると接触抵抗が変化し、異常発熱や表面割れの原因となります。そのため、断続通電の休止時間を長めに取って冷却を強化したり、電極のドレッシングを頻繁に行ったりする対策が必要です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">ステンレス鋼</h4>



<p>電気抵抗が高く熱伝導率が低いため、発熱効率は非常に良い材料です。しかし、熱膨張係数が大きいため、溶接熱による歪みが大きくなる傾向があります。また、溶融部の冷却過程で収縮巣（ブローホール）が発生しやすく、これがリークの原因となることがあります。加圧力を高めに設定し、凝固時の収縮を抑え込む技術が必要です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">アルミニウム合金</h4>



<p>最もシーム溶接が困難な材料の一つです。電気抵抗が極めて低く熱伝導率が高いため、熱がすぐに逃げてしまい、ナゲットを作るために莫大な電流が必要です。さらに、表面の強固な酸化被膜が絶縁体として作用し、不安定な発熱の原因となります。電極へのアルミニウム凝着も激しいため、特殊な研磨機構や電源制御が不可欠です。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">品質保証と欠陥のメカニズム</span></h3>



<p>シーム溶接の目的は「漏れないこと」であるため、品質評価は厳格に行われます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">一般的な欠陥</h4>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>溶け込み不足</strong>: 電流不足や速度過多により、ナゲットが十分に成長せず、接合界面が繋がっていない状態です。</li>



<li><strong>散り（スパッタ）</strong>: 電流過大や加圧不足により、溶融金属が極間から外部へ飛び出す現象です。内部に空洞ができたり、表面が汚れたりします。</li>



<li><strong>表面割れ</strong>: 過度な入熱や冷却不足、あるいは低融点金属の粒界侵入によって、ビード表面や熱影響部に亀裂が入る現象です。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">検査方法</h4>



<p>全数検査としては、製品内部に空気を加圧注入して水没させ、気泡の有無を確認する気密試験や、ヘリウムガスを用いたリークテストが行われます。 抜き取り検査では、溶接部を切断して断面のマクロ組織観察を行い、ナゲットの重なり具合や内部欠陥の有無を確認します。また、タガネを打ち込んで母材が破断するかどうかを確認する破壊試験も行われます。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">シーム溶接の機械構造的特徴</span></h3>



<p>シーム溶接機は、その構造においても高い剛性と精度が求められます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">加圧機構</h4>



<p>電極輪を通じて数千ニュートンから数万ニュートンの力を安定して加える必要があります。エアシリンダーや油圧シリンダーが用いられますが、近年ではサーボモーターを用いた電動加圧方式が増えています。電動式は、溶接中の電極の沈み込みに合わせて追従制御ができるため、散りの発生を抑え、安定したナゲット形成に寄与します。</p>



<h4 class="wp-block-heading">通電軸受</h4>



<p>回転する電極輪へ、数千アンペアから数万アンペアの大電流を供給するための特殊な機構です。銀ブラシや水銀接点、あるいは特殊な導電性グリースを用いたすべり軸受構造が採用されます。ここの接触抵抗が増大すると、発熱による焼き付きや電力損失が発生するため、定期的なメンテナンスが必須となる重要保安部品です。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p></p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://limit-mecheng.com/seam-welding/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>機械加工の基礎：スポット溶接</title>
		<link>https://limit-mecheng.com/spt/</link>
					<comments>https://limit-mecheng.com/spt/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[管理者]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 21 Sep 2025 02:22:20 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[加工学]]></category>
		<category><![CDATA[アーク溶接]]></category>
		<category><![CDATA[スポット溶接]]></category>
		<category><![CDATA[ナゲット]]></category>
		<category><![CDATA[抵抗溶接]]></category>
		<category><![CDATA[接合]]></category>
		<category><![CDATA[板金]]></category>
		<category><![CDATA[溶接]]></category>
		<category><![CDATA[自動車]]></category>
		<category><![CDATA[薄板]]></category>
		<category><![CDATA[電極]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://limit-mecheng.com/?p=635</guid>

					<description><![CDATA[スポット溶接は、接合したい二枚の金属板を重ね合わせ、一対の電極で加圧しながら、極めて大きな電流を短時間流すことで、その接触部に発生する抵抗熱を利用して、金属を局部的に溶融させ、点状に接合する抵抗溶接の一種です。 その最大 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>スポット溶接は、接合したい二枚の金属板を重ね合わせ、一対の電極で加圧しながら、極めて大きな電流を短時間流すことで、その接触部に発生する<strong>抵抗熱</strong>を利用して、金属を局部的に溶融させ、点状に接合する<strong>抵抗溶接</strong>の一種です。</p>



<p>その最大の応用分野は自動車のボディ生産であり、一台の自動車を組み立てるために、数千点ものスポット溶接が、ロボットによって猛烈なスピードで打たれています。この技術なくして、現代の自動車の大量生産は成り立ちません。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc1">溶接の原理：ジュール熱による抵抗発熱</span></h3>



<p>スポット溶接の物理的な原理は、<strong>ジュール熱</strong>という、極めて単純な法則に基づいています。導体に電流を流すと、その導体の電気抵抗によって熱が発生するという現象です。この発生する熱量（Q）は、以下の式で表されます。</p>



<p><strong>Q = I² × R × t</strong></p>



<p>ここで、<strong>Iは電流</strong>、<strong>Rは電気抵抗</strong>、そして<strong>tは通電時間</strong>を示します。この式から分かる通り、発生する熱量は、特に<strong>電流の二乗</strong>に比例して、爆発的に増大します。スポット溶接は、この原理を巧みに利用し、数千アンペアから一万アンペアを超えるような大電流を、一秒以下のごく短い時間だけ流すことで、接合に必要な熱エネルギーを、目的の場所にだけ、集中的に発生させるのです。</p>



<h4 class="wp-block-heading">熱が集中するメカニズム</h4>



<p>では、なぜ重ね合わせた鋼板の、ちょうど接合したい部分だけに熱が集中するのでしょうか。その秘密は、<strong>電気抵抗R</strong>の内訳にあります。電流が流れる経路全体で、電気抵抗が最も高くなる場所が、最も激しく発熱します。</p>



<p>電流は、「電極 → 鋼板A → <strong>鋼板Aと鋼板Bの接触部</strong> → 鋼板B → 電極」という経路をたどります。この中で、電気抵抗が最も高くなるのが、二枚の鋼板が接触している界面、すなわち<strong>母材間接触抵抗</strong>です。表面の微細な凹凸により、実際に金属同士が接触している面積は非常に小さいため、この部分の抵抗値は、鋼板内部の抵抗や、電極と鋼板の接触抵抗に比べて、桁違いに大きくなります。</p>



<p>結果として、ジュール熱の大部分が、この二枚の鋼板の界面に集中して発生し、その部分の金属だけが、内側から溶融を始めるのです。一方で、電極自身は、電気抵抗が非常に低い銅合金で作られ、多くの場合、内部を水で冷却されているため、自身が溶融することはありません。</p>



<h4 class="wp-block-heading">ナゲットの形成</h4>



<p>鋼板の界面で発生した熱によって、金属は溶けて<strong>ナゲット</strong>と呼ばれる、溶融金属の塊を形成します。このとき、外部からは電極によって強い圧力が加えられているため、溶けた金属は飛散することなく、その場に留まります。</p>



<p>通電が終了すると、溶融したナゲットは、周囲の冷たい母材と、水冷された電極によって、圧力を受けたままの状態で急速に冷却・凝固します。この加圧下での凝固は、鋳造と鍛造を同時に行うようなものであり、緻密で強固な溶接部を形成します。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" width="565" height="570" src="https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/スポット溶接.png" alt="" class="wp-image-848" style="width:313px;height:auto" srcset="https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/スポット溶接.png 565w, https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/スポット溶接-297x300.png 297w, https://limit-mecheng.com/wp-content/uploads/スポット溶接-150x150.png 150w" sizes="(max-width: 565px) 100vw, 565px" /></figure>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">溶接プロセスと三大要素</span></h3>



<p>高品質なスポット溶接を行うためには、<strong>溶接電流</strong>、<strong>通電時間</strong>、<strong>加圧力</strong>という、三つの基本要素を、溶接する材料や板厚に応じて、精密に制御する必要があります。</p>



<p>典型的な溶接サイクルは、以下の四つの工程で構成されます。</p>



<ol start="1" class="wp-block-list">
<li><strong>加圧工程</strong>: まず、電極で鋼板を挟み込み、適切な圧力をかけます。これにより、鋼板同士が密着し、安定した通電が可能になります。</li>



<li><strong>通電工程</strong>: 加圧を維持したまま、設定された大電流を、設定された時間だけ流します。この間に、前述の原理でナゲットが形成・成長します。</li>



<li><strong>保持工程</strong>: 通電を停止しますが、電極による加圧は、すぐには解除しません。この保持時間中に、ナゲットが加圧下で完全に凝固し、強固な組織が形成されます。</li>



<li><strong>休止工程</strong>: 電極を開放し、一つの点の溶接が完了します。</li>
</ol>



<p>この全工程は、通常、一秒にも満たない、ごくわずかな時間で完了します。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">装置と電極</span></h3>



<p>スポット溶接を行うための装置は、主に以下の要素で構成されます。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>溶接トランス</strong>: 工場の電源から供給される高電圧・低電流の電気を、溶接に必要な低電圧・大電流の電気に変換する変圧器です。</li>



<li><strong>制御装置</strong>: 上記の溶接電流、通電時間、加圧力を、ミリ秒単位の精度で制御する、溶接の頭脳です。</li>



<li><strong>加圧機構</strong>: 空気圧や、近年ではサーボモーターを利用して、電極に正確な圧力をかける機構です。</li>



<li><strong>電極チップ</strong>: 実際に鋼板に接触する、極めて重要な部品です。電極には、大電流を流すための<strong>高い導電性</strong>と、強い力で加圧するための<strong>高い硬度</strong>、そして高温に耐える<strong>耐熱性</strong>という、相反する特性が同時に要求されます。このため、材料には、クロムやジルコニウムを添加した銅合金や、アルミナを分散させた分散強化銅などが用いられます。電極の先端は、使用するうちに摩耗・変形するため、定期的に先端形状を整える「チップドレッシング」というメンテナンスが不可欠です。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">まとめ</span></h3>



<p>スポット溶接は、ジュール熱の原理に基づき、大電流、短時間、高圧力という三つの要素を精密に制御することで、重ね合わせた鋼板の内部に、溶融・凝固した接合部（ナゲット）を形成する、高能率な接合技術です。</p>



<p>その本質は、電気エネルギーを、目的の場所だけに、瞬時に熱エネルギーとして集中させる、物理現象の巧みな応用です。溶加材もガスも不要で、ロボットによる完全自動化が容易であるという、その圧倒的な生産性は、特に自動車のボディ生産という巨大な産業を成立させるための、まさに核心的な技術となっています。スポット溶接は、現代の大量生産時代を象徴する、最も重要で、最も広く使われている接合方法の一つなのです。</p>



<p></p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://limit-mecheng.com/spt/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
	</channel>
</rss>
