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コラム 機械加工の基礎:ロウ付け
ロウ付けは、接合しようとする2つ以上の部材を溶融させることなく、母材よりも融点の低い合金(ロウ材)を溶かして、部材間の隙間に流し込み、これを凝固させることで接合を行う技術です。冶金学、熱力学、界面化学といった複数の工学分野の知見が集約された、非常に高度で信頼性の高い接合方法の一つです。本稿では、ロウ付けの基本原理からプロセス、応用までを工学的な視点で詳細に解説します。
コラム 機械要素の基礎:滑車
滑車は、溝のある車輪と軸から構成される、最も基本的な単純機械の一つです。その主な機能は力の方向転換、または力の大きさを減らすことであり、古くは井戸のつるべから、現代の巨大クレーンや精密機械に至るまで、あらゆる場面で利用されています。
コラム 機械要素の基礎:トルクリミッター
トルクリミッターは、機械の駆動系において、設定された値を超えるトルク(回転力)が加わった際に、モーターなどの駆動側と、負荷側の連結を瞬時に遮断またはスリップさせることで、機械全体を過負荷から保護する安全装置です。電気回路におけるヒューズやサーキットブレーカーが過電流から電気機器を守るのと同様に、トルクリミッターは過大トルクから高価なモーター、減速機、歯車、チェーンといった機械要素を守る「機械式ヒューズ」とも言うべき重要な役割を担っています。
コラム 機械要素の基礎:コンベア
コンベアは、材料や製品を連続的あるいは断続的に一定の経路上で輸送する機械装置です。工場内の生産ライン、物流倉庫、鉱山、空港など、あらゆる産業分野で血液のようにモノの流れを支える、不可欠なインフラストラクチャーと言えます。
コラム 機械要素の基礎:ダンパーとは
ダンパーは、機械や構造物において発生する振動や衝撃、あるいは望ましくない運動を抑制、減衰、または制御するために用いられる装置の総称です。運動エネルギーを熱エネルギーなどに変換して吸収、散逸させることにより、その効果を発揮します。乗り物の乗り心地向上、精密機械の性能維持、建築物の耐震性向上など、多岐にわたる分野で安全性の確保や快適性の向上、機器の保護に不可欠な役割を担っています。
コラム 機械要素の基礎:軸継手
軸継手は、二つの回転する軸の端部同士を連結し、一方の軸から他方の軸へ動力すなわちトルクと回転を伝達するための機械要素です。また、原動機であるモーターやエンジンと、従動機であるポンプや減速機などの機械装置の軸とを接続するためにも用いられます。単に動力を伝えるだけでなく、取り付け時の軸心のずれを吸収したり、振動や衝撃を緩和したり、保守点検時の分解組立を容易にしたりするなど、機械システム全体のスムーズな運転と信頼性向上に寄与する多様な機能を持っています。
コラム 機械要素の基礎:パッキン
パッキンは、機械や装置において、部品間の隙間からの液体や気体などの流体の漏れを防いだり、外部からの塵や異物の侵入を防止したりするために用いられるシール部品、すなわち密封装置の総称です。特に、軸が回転したり、ロッドが往復運動したりするような、互いに動きのある部品間の隙間を密封する運動部シールとして広く利用されています。静止した部品間のシールに主に使われるガスケットとは区別されることが多いですが、用途や形状によっては両者の境界が曖昧な場合もあります。
コラム 機械要素の基礎:Oリング
Oリングは、断面が円形の環状シール部品であり、主にニトリルゴムやフッ素ゴムといった弾性を持つエラストマー材料から作られます。このOリングを機械部品に設けられた専用の溝にはめ込み、組み立ての際に適度に圧縮変形させることで、部品と部品の間の微細な隙間を物理的に塞ぎます。これにより、内部の液体や気体といった流体の外部への漏れを防いだり、逆に外部から塵や水分などの異物が機器内部へ侵入するのを防止したりする重要な役割を果たします。
コラム 機械要素の基礎:ばね
ばねは、外から力を加えると弾性変形し、力を取り除くと元の形状に復元しようとする性質を利用した機械要素です。この変形と復元という性質は材料の弾性に基づくものであり、ばねはこの弾性を積極的に活用するために特定の形状に作られています。ばねは変形する際にエネルギーを蓄え、復元する際にそのエネルギーを放出することができます。
コラム 機械要素の基礎:軸受
軸受は、回転または往復運動をする軸を、ハウジングと呼ばれる固定側の部品に対して正確な位置で支持し、その運動を円滑にするための機械要素です。軸が受ける荷重を支えながら、軸と支持部との間の摩擦や摩耗を低減することが主な目的です。あらゆる回転機械や可動機構において、その性能、効率、寿命を左右する極めて重要な部品と言えます。
コラム 機械要素の基礎:歯車
歯車は、円盤または円錐などの外周あるいは内周に歯と呼ばれる突起を等間隔に設けた、代表的な機械要素です。一対または複数の歯車を噛み合わせることにより、回転軸から別の回転軸へ、あるいは回転軸と直線運動をする部品の間で、動力、運動、トルクを確実に伝達する目的で広く用いられます。その歴史は古く、現代においても自動車、産業機械、時計、ロボットなど、あらゆる機械装置の基幹部品として不可欠な存在です。
コラム 機械要素の基礎:チェーン
チェーンは、多数の部品、典型的には金属製の環や板、ピンなどを順次連結して構成される、柔軟性を持った鎖状の機械要素です。主な用途は、スプロケットと呼ばれる歯車状の部品と組み合わせて軸と軸の間で動力を伝達すること、コンベヤシステムなどで物品や材料を一定の経路に沿って運搬すること、あるいはホイストなどで重量物を吊り上げることなどです。ベルト伝動などと比較して、滑りがなく確実な動力伝達や位置決めが可能であるため、自転車やオートバイの駆動、工場の生産ライン、農業機械、建設機械など、非常に多くの機械や装置で重要な役割を担っています。
コラム 機械要素の基礎:ナット
ナットは、部品同士を締結するために用いられる基本的な締結部品の一種であり、中心にめねじが切られた穴を持つ部品です。通常、対となるおねじを持つボルトやねじと組み合わせて使用され、これらを締め付けることによって強力な締付力を発生させ、部品を固定します。機械、建築、自動車、家電製品など、あらゆる分野で不可欠な部品として、ボルトと共に広く利用されています。
コラム 機械要素の基礎:ボルト
ボルト(Bolt)は、機械や構造物を組み立てる際に、部品同士を固定するために用いられる最も基本的な締結部品の一つです。一般的には、頭部と、おねじが切られた軸部から構成され、通常はナットと組み合わせて使用されます。部品に開けられた穴(通し穴)にボルトを通し、反対側からナットを締め付けることで、部品間に強力な締付力を発生させ、固定します。ナットを使わずに、部品側に設けられためねじに直接ねじ込んで締結する使われ方もあります。ねじとの厳密な区別は必ずしも明確ではありませんが、一般にナットと組み合わせて使うもの、あるいは比較的大径で強度が必要な箇所に使うものをボルトと呼ぶことが多いです。