
機械材料の基礎:鉄鋼
機械材料として鉄鋼は非常に広範に使用されている材料です。
資源量が豊富で精錬しやすく強靭であり加工も容易なため広く利用され、機械産業において非常に重要な位置を占めています。そのため生産量が非常に多く全世界の金属材料生産の約90%は鉄鋼の生産になっています。
鋼鉄材料の種類
炭素鋼(鉄鋼)
炭素鋼とは鉄を基にした合金の一種で、一般的に鋼鉄と呼ばれます。炭素鋼は炭素の含有量によって純鉄、鋼鉄、鉄に分類されています。
鉄は炭素量が多くなると硬くなり応力に強くなります。その一方で硬度が上がることで耐衝撃性が低下し、割れやすくなります。主成分の鉄、炭素以外にケイ素、燐、硫黄などを添加することで特性を調整しています。
代用的なものとしてはSS400、S45Cなどの鋼種があげられます。
合金鋼
合金鋼とは、鋼の5元素と呼ばれる炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄以外の元素も添加されている鋼材のことであり一般的に特殊鋼とも呼ばれている。クロムやニッケル、コバルトなどが代表的な添加元素です。
合金鋼は炭素鋼に比べて強度や耐食性などが向上するが、添加する元素が増えるためコストも上昇する傾向があります。ステンレス鋼や工具鋼、超硬合金などが含まれます。
代表的なものとしては、ステンレス鋼SUS304や工具鋼のSK材などの鋼種があげられます。
鋳鉄
鋳鉄とは炭素を多く含む鋳物用の材料です。鉄鋳物製品全般に使用されています。組織内の析出炭素によって加工性が高い炒め機械加工が容易であり自動車部品や鉄道・船舶部品など多くの分野で使用されています。
一方で炭素を多く含むことで硬度が高いため、もろく耐衝撃性や靭性が低い特徴があります。また炭素の量が多いため溶接や板金加工にも適していません。
代表的なものとしてはFC材(ネズミ鋳鉄)、FCD材(ダクタイル鋳鉄)などの鋼種があげられます。
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