ものづくり

機械要素

機械要素の基礎:スプロケット

スプロケットは、ローラーチェーンやタイミングベルトといった、巻掛け伝動要素と精密にかみ合い、動力を伝達、あるいは物体を搬送するための、歯車状の機械要素です。日本語では鎖歯車とも呼ばれます。一般的な歯車(ギヤ)が、他の歯車という剛体と直接かみ合って回転運動を伝達するのに対し、スプロケットは、チェーンやベルトという「たわみ性」を持つ要素を介して、離れた軸同士で回転運動を伝達する点が、工学的な本質の違いです。この特性により、スプロケットとチェーンの組み合わせは、二つの軸の間に、ある程度の距離(軸間距離)が必要な場合に、極めて効率的で確実な動力伝達手段として、自転車、オートバイから、巨大な産業用コンベアまで、あらゆる機械に広く採用されています。
加工学

機械加工の基礎:加工硬化

加工硬化は、金属材料に、その弾性限度を超える力を加えて塑性変形させた際に、その金属が硬く、そして強くなる現象です。ひずみ硬化とも呼ばれます。身近な例では、針金を繰り返し曲げると、曲げた部分が次第に硬くなり、さらに曲げるのに大きな力が必要になる現象が加工硬化です。この現象は、金属を意図的に強化するための有効な手段として利用される一方で、プレス加工や引き抜き加工といった塑性加工の際には、加工を困難にする要因ともなります。
加工学

機械加工の基礎:マシニングセンタ

マシニングセンタは、フライス削り、穴あけ、ねじ切り、中ぐりといった、複数の異なる切削加工の機能を一台に統合し、それらの工程をプログラムに基づいて全自動で行う、コンピュータ数値制御の工作機械です。その最大の特徴は、自動工具交換装置、すなわちATCを搭載している点にあります。このATCの存在により、マシニングセンタは、加工の途中で人間の介在を必要とせずに、ドリルやエンドミル、タップといった多種多様な工具を自動で交換し、複雑な形状の部品を、一度の段取り(ワンチャック)で、最初から最後まで一貫して加工し終えることができます。
加工学

機械加工の要素:ブローチ加工

ブローチ加工は、ブローチと呼ばれる、多数の切れ刃が直線状に連なった長尺の切削工具を用いて、工作物の内面あるいは外面を、工具の一回の直線通過のみで目的の形状に仕上げる、極めて高能率な機械加工法です。その最大の特徴は、荒加工、中仕上げ加工、そして仕上げ加工という、通常は複数の工程を必要とする作業を、ブローチ工具の一回の引き抜き、あるいは押し込み動作だけで完了させてしまう、圧倒的な生産性にあります。この「ワンパス」あるいは「ワンストローク」の加工は、特に自動車産業をはじめとする大量生産の分野において、キー溝やスプラインといった、複雑な内面形状を、高い精度で、かつ驚異的な速さで製造するための、不可欠な基幹技術となっています。
加工学

機械加工の基礎:引き抜き加工

引き抜き加工は、ダイスと呼ばれる、先端が絞られた形状の穴を持つ工具に、金属の棒や管、線といった素材を通し、その先端を引くことで、素材の断面積を減少させ、同時に長さを増加させる塑性加工法の一種です。この加工は、ほとんどの場合、材料を加熱しない冷間で行われます。その本質は、素材を後方から「押す」押出し加工とは対照的に、前方から「引く」という引張力を主な駆動力とする点にあります。この単純な原理により、引き抜き加工で製造された製品は、優れた寸法精度、美しい表面、そして加工硬化による高い強度という、多くの優れた特性を併せ持ちます。
機械要素

機械要素の基礎:カム

カムは、原動節であるカムと、従動節である従節(フォロワ)を直接接触させて運動を伝達する機械要素です。その最も本質的な機能は、入力である単純な回転運動を、設計者が意図した通りにプログラムされた、複雑な往復運動や揺動運動、あるいは休止運動へと変換することにあります。
機構

機械構造の基礎:リンク機構

リンク機構は、リンクと呼ばれる複数の剛体を対偶(ジョイント)で連結し、特定の運動を伝達、あるいは変換するために構成された機械的装置です。それは機械の「骨格」と「関節」に相当し、単純な回転運動を、往復運動や揺動運動、あるいは複雑な軌跡を描く運動へと巧みに変換します。
加工学

機械加工の基礎:キー溝加工

キー溝加工は、軸と歯車やプーリーといった回転体を結合し、トルクを伝達するための機械要素であるキーをはめ込むための溝、すなわちキー溝を精密に作り出す機械加工技術です。この一見地味な溝は、機械全体の動力を正確に伝え、安定した運転を保証するための極めて重要な役割を担っています。もしキー溝の精度が悪ければ、ガタつきによる摩耗や、最悪の場合には動力伝達の失敗による機械の停止につながります。
加工学

機械加工の基礎:フライス加工

フライス加工は、フライスと呼ばれる複数の切れ刃を持つ回転工具を用いて、固定された工作物を削り出す機械加工法です。工作物が回転する旋盤加工とは対照的に、フライス加工では工具が回転するのが最大の特徴です。
加工学

機械加工の基礎:レーザー切断

レーザー切断は、指向性と集光性に優れたレーザー光を熱源として利用し、材料を溶融または蒸発させることで切断を行う、非接触型の熱的加工法です。刃物を使わずに、光という純粋なエネルギーで材料を加工するこの技術は、その高い精度、速度、そして柔軟性から、現代の製造業において不可欠な存在となっています。
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