熱伝導性

材料工学

機械材料の基礎:膨張黒鉛

膨張黒鉛は、天然に産出する層状の鱗状黒鉛に対し、化学的な処理と熱的な処理を連続して加えることで、その体積を数百倍にまで人為的に膨張させた炭素材料です。かつて産業界において、高熱や化学薬品に耐えうるシール材、いわゆるガスケットやパッキンとしてはアスベストが不動の地位を築いていました。しかし、その健康被害が明白となり使用が全面禁止される中、アスベストを凌駕する絶対的な代替素材として産業の危機を救ったのが、この膨張黒鉛から作られるフレキシブルグラファイトシートです。さらに現在では、その特異な熱伝導性を活かし、最新のスマートフォンや電気自動車のバッテリーにおける熱マネジメントの中核材料として、全く新しい価値を生み出し続けています。
機械材料

機械材料の基礎:CV黒鉛鋳鉄

CV黒鉛鋳鉄は、鉄と炭素を主成分とする鋳鉄材料の一種であり、その組織中に含まれる黒鉛の形状が、片状黒鉛と球状黒鉛の中間的な形態であるバーミキュラ状すなわち芋虫状を呈していることを最大の特徴とします。英語ではCompacted Vermicular Graphite Cast Iron、あるいは単にCGIと呼ばれます。
材料工学

機械材料の基礎:窒化アルミニウム

窒化アルミニウムは、アルミニウムと窒素から構成されるセラミックス材料で、その化学式はAlNと表記されます。酸化物ではない非酸化物セラミックスに分類され、窒化ケイ素や窒化ホウ素と並ぶ、代表的な窒化物セラミックスの一つです。この材料が現代の先端技術分野で極めて重要な地位を占めている理由は、一見すると相反する二つの特性、すなわち金属に匹敵するほどの高い熱伝導性と、ガラスのように電気を全く通さない高い電気絶縁性を両立させている点にあります。この特異な性質の組み合わせは、他の材料には見られない、窒化アルミニウムならではのものです。
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