自動車

表面処理

表面処理の基礎:カチオン電着塗装

カチオン電着塗装は、塗料の粒子を直流電流の力で被塗物(塗装される部品)に析出・付着させる、電気化学的な塗装方法の一種です。一般に「電着塗装」あるいは「Eコート」と呼ばれ、その中でも被塗物をカソード(陰極、マイナス極)とし、プラスの電荷(カチオン)を帯びた塗料粒子を電気的に引き寄せて塗膜を形成する方式を指します。この技術の工学的な本質は、スプレー塗装や刷毛塗りといった物理的な塗布とは根本的に異なり、電気の流れる経路を精密に制御することで、極めて均一な塗膜と、スプレーでは決して届かない複雑な構造物の内部にまで塗料を回り込ませる、卓越した「つきまわり性」を実現する点にあります。
機械材料

機械材料の基礎:高張力鋼板(ハイテン)

高張力鋼板、一般にハイテンとも呼ばれるこの材料は、一般的な軟鋼に比べて、降伏点や引張強さといった強度を大幅に高めた鋼板の総称です。その工学的な本質は、軽量化と安全性という、特に自動車産業において二律背反する要求を、高いレベルで両立させることにあります。同じ強度を維持する前提であれば、軟鋼よりも薄い鋼板を使用できるため、製品全体の軽量化が可能となります。逆に、同じ板厚であれば、遥かに高い強度が得られるため、部材の耐久性や衝突時の安全性を飛躍的に向上させることができます。
加工学

機械加工の基礎:プロジェクション溶接

プロジェクション溶接は、抵抗溶接の一種であり、接合したい部品の一方、あるいは両方に、あらかじめ突起(プロジェクション)を設けておくことを最大の特徴とします。この突起を利用して、溶接電流と加圧力を意図的に一点または複数点に集中させ、効率的かつ精密に接合を行う技術です。スポット溶接が、電極の先端形状によって電流集中を図るのに対し、プロジェクション溶接は、部品自身に設けられた突起がその役割を担います。この原理的な違いが、プロジェクション溶接に、スポット溶接にはない多くの利点をもたらします。
加工学

機械加工の基礎:レーザー溶接

レーザー溶接は、指向性と集光性に優れたレーザー光を熱源として利用し、金属などの材料を溶融させて接合する、高エネルギービーム溶接の一種です。その最大の特徴は、極めて高いエネルギー密度を、微小な一点に集中させることができる点にあります。この原理により、レーザー溶接は、従来のアーク溶接などでは達成が困難であった、高速、高精度、そして低ひずみという、多くの優れた特性を同時に実現します。自動車のボディ生産から、スマートフォンの内部にある微細な電子部品の接合まで、現代の最先端のものづくりにおいて、その応用範囲は急速に拡大しています。
加工学

機械加工の基礎:スポット溶接

スポット溶接は、接合したい二枚の金属板を重ね合わせ、一対の電極で加圧しながら、極めて大きな電流を短時間流すことで、その接触部に発生する抵抗熱を利用して、金属を局部的に溶融させ、点状に接合する抵抗溶接の一種です。その最大の応用分野は自動車のボディ生産であり、一台の自動車を組み立てるために、数千点ものスポット溶接が、ロボットによって猛烈なスピードで打たれています。この技術なくして、現代の自動車の大量生産は成り立ちません。
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