伝動ベルト

機械要素

機械要素の基礎:タイミングベルト

タイミングベルトは、その内周または外周に、一定のピッチで歯(コグ)が設けられた伝動ベルトです。このベルトの歯が、対になるタイミングプーリー(歯付きプーリー)の歯溝と精密にかみ合うことで、動力を伝達します。Vベルトや平ベルトのような摩擦伝動とは根本的に異なり、歯車やチェーンと同様の「確実なかみ合い伝動」を行ういます。この原理により、タイミングベルトは、運転中に滑り(スリップ)が全く発生しないという、極めて重要な特性を持ちます。この「同期伝動」が可能であるという事実が、タイミングベルトの存在意義そのものであり、その名称の由来ともなっています。
機械要素

機械要素の基礎:Vベルト

Vベルトは、その名の通りV字型、すなわち台形の断面形状を持つ、摩擦伝動ベルトの総称です。その工学的な本質は、平ベルトのような単純な摩擦力だけではなく、プーリー(滑車)の溝にV字型の側面が食い込むことによって生じるくさび効果(ウェッジ効果)を利用し、極めて高い伝達トルクを実現する点にあります。このくさび効果により、Vベルトは、平ベルトに比べて、はるかに小さな張力で、大きな動力を、滑ることなく確実に伝達できます。また、ベルト車も小さくでき、装置全体をコンパクトに設計できるため、工作機械、産業用ポンプ、空調設備、そして自動車の補機駆動に至るまで、現代のあらゆる機械産業において、最も広く、最も信頼されている動力伝達要素の一つです。
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