自動車部品

機械材料

機械材料の基礎:アクリルゴム

アクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステルを主成分とする合成ゴムであり、ISO規格ではACMという略号で呼ばれます。耐熱性と耐油性のバランスにおいて、汎用ゴムであるニトリルゴムと、高機能ゴムであるフッ素ゴムの中間に位置する材料です。自動車産...
機械材料

機械材料の基礎:変性ポリフェニレンエーテル

変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテルまたはPPEと呼ばれるエンジニアリングプラスチックに、他の合成樹脂をブレンドして改質したポリマーアロイ材料の総称です。一般に変性PPEあるいはm-PPEと呼ばれ、ポリアミドやポリアセタールなどと並ぶ5大汎用エンジニアリングプラスチックの一角を占めています。この材料の工学的な最大の特徴は、単一のポリマーでは成し得なかった性能を、異なる種類の樹脂を混ぜ合わせるというアロイ化技術によって実現した点にあります。具体的には、PPEが本来持っている卓越した耐熱性と電気特性を維持しつつ、その致命的な欠点であった成形加工性の悪さを、ポリスチレンなどの流動性の良い樹脂を分子レベルで相溶させることで劇的に改善しています。
機械材料

機械材料の基礎:エンジニアリングプラスチック

エンジニアリングプラスチックは、一般用プラスチックと比較して、耐熱性、機械的強度、耐薬品性、耐摩耗性といった諸特性が大幅に強化された合成樹脂の総称です。産業界ではエンプラという略称で広く知られており、その工学的な定義としては、一般に摂氏100度以上の環境下で長期間使用しても、その機械的性質や寸法安定性を維持できるプラスチック材料を指します。この材料群の最大の存在意義は、金属代替材料としての役割にあります。鉄やアルミニウムといった金属材料に比べて、エンプラは軽量であり、複雑な形状を射出成形によって一度の工程で大量に生産できるという圧倒的な生産性の高さを誇ります。自動車のエンジン周辺部品から、航空機の構造材、精密電子機器のコネクタや歯車に至るまで、エンプラは現代の工業製品の軽量化と高機能化を支える、最も重要な基幹材料の一つです。
機械材料

機械材料の基礎:ダクタイル鋳鉄

ダクタイル鋳鉄は、鉄と炭素を主成分とする鋳鉄材料の一種であり、その組織中に含まれる黒鉛が球状化していることを最大の特徴とします。別名を球状黒鉛鋳鉄とも呼び、日本産業規格であるJISにおいてはFCD材として規定されています。ねずみ鋳鉄が、その組織内の片状黒鉛によって「もろさ」という宿命的な弱点を抱えていたのに対し、ダクタイル鋳鉄は、黒鉛を球状に変化させることによって、鋳鉄の持つ優れた鋳造性と、鋼が持つ強靭さを高い次元で両立させることに成功した、金属材料の歴史における革命的な発明です。
機械材料

機械材料の基礎:亜鉛合金

亜鉛合金は、亜鉛を主成分とし、そこにアルミニウム、銅、マグネシウムといった他の元素を添加して、特定の機械的性質や物理的性質を改善した非鉄金属材料です。その最大の工学的特徴は、極めて融点が低いこと、そして卓越した流動性を持つことにあります。この二つの特性により、亜鉛合金は、他のいかなる金属材料よりも「ダイカスト(ダイキャスト)」という高圧鋳造法に最適化されています。その結果、亜鉛合金は、極めて複雑な形状や薄肉の製品を、高い寸法精度で、かつ驚異的な生産性で大量生産するための、最も重要な材料の一つとして確固たる地位を築いています。
機械材料

機械材料の基礎:エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)

EPDMの特徴は、ゴム材料の宿命的な弱点であったオゾン、紫外線、そして熱に対する、極めて優れた耐久性にあります。この比類なき耐候性と耐熱性により、EPDMは「屋外での使用」や「高温環境下での使用」において、他の汎用ゴムを圧倒する信頼性を提供します。自動車のウェザーストリップから、建物の屋上防水シート、高温の蒸気を輸送するホースに至るまで、EPDMは、過酷な環境下で長期間の柔軟性とシール性を維持するという、困難な工学的課題を解決するために開発された、戦略的な材料です。
機械要素

機械要素の基礎:スプライン

スプラインは、軸とその軸にはめ込まれるボス(歯車やプーリーなどの穴を持つ部品)との間で、回転トルクを伝達するために用いられる、機械要素です。その最も特徴的な形状は、軸の円周上に、複数のキー(凸歯)と溝(凹歯)を、等間隔に、軸と平行に設けたものです。ボス側には、この軸側のスプラインと精密にかみ合う、対になった溝と歯が加工されています。一本のキーでトルクを伝達するキー溝とは異なり、スプラインは、多数の歯が同時にかみ合うことで、荷重を円周全体に分散させます。この原理により、スプラインは、同じ軸径のキー溝に比べて、遥かに大きなトルクを伝達する能力と、優れた調心性を備えています。その高い信頼性から、自動車のトランスミッションや、産業機械の動力伝達部といった、最も過酷で、最も高い精度が要求される、機械の心臓部で不可欠な役割を担っています。
加工学

機械加工の基礎:ダイカスト

ダイカストは、アルミニウムや亜鉛といった、融点の低い非鉄金属を溶かした溶湯を、金型と呼ばれる精密な鋼製の鋳型の中に、高圧かつ高速で射出して、鋳物を製造する鋳造法の一種です。ダイキャストとも呼ばれます。プラスチックの射出成形(インジェクションモールディング)の、金属版と考えると理解しやすいでしょう。この「高圧・高速で射出する」という原理により、ダイカストは、他の鋳造法では達成が困難な、極めて高い寸法精度、滑らかで美しい鋳肌、そして薄肉形状の成形を、驚異的な生産性で実現します。
機械要素

機械要素の基礎:オイルシール

オイルシールは、機械の内部で回転する軸と、それを支持する動かないハウジングとの隙間を塞ぎ、内部の潤滑油やグリースが外部へ漏れるのを防ぐと同時に、外部から埃や水分といった汚染物が侵入するのを防ぐための、極めて重要な機械要素です。リップシールとも呼ばれ、自動車のエンジンやトランスミッション、産業機械の減速機、モーターなど、回転運動が存在するほぼ全ての機械に組み込まれています。
機械材料

機械材料の基礎:ばね鋼

ばね鋼は、その名の通り、ばね製品を製造するために特別に設計された鋼の総称です。ばねの最も重要な機能は、外部から力を受けて弾性的に変形することでエネルギーを吸収し、力が取り除かれると元の形状に復元してそのエネルギーを放出することにあります。この基本的な役割を果たすため、ばね鋼には他の鋼材とは一線を画す、極めて高い弾性限度が要求されます。
機械材料

機械材料の基礎:クロムモリブデン鋼

クロムモリブデン鋼は、炭素鋼に主要な合金元素としてクロムとモリブデンを添加した、低合金鋼の一種です。一般には、その成分の頭文字をとってクロモリという愛称で広く知られています。この鋼の最大の特徴は、熱処理を施すことによって、高い強度と、破壊に対する抵抗力である靭性(粘り強さ)を、極めて高いレベルで両立できる点にあります。ただ硬いだけでなく、しなやかさも兼ね備えているため、過酷な力がかかる構造部材や機械部品に理想的な材料として、長年にわたり絶大な信頼を得ています。
機械材料

機械材料の基礎:ポリアミド(ナイロン)

ポリアミドは、その分子の主鎖にアミド結合を繰り返し持つ高分子化合物の総称です。一般には、米国デュポン社の商品名であるナイロンとして広く知られており、優れた機械的特性を持つことから、エンジニアリングプラスチックの代表格として様々な分野で活躍しています。
コラム

機械加工の基礎:射出成型

射出成形は、熱可塑性樹脂を加熱して溶融させ、それを精密な金型の内部に高圧で射出し、冷却・固化させることで、目的の形状の製品を成形する加工法です。インジェクションモールディングとも呼ばれます。この技術の工学的な本質は、自動車の部品、電子機器の筐体、医療器具、日用品のキャップに至るまで、極めて複雑な三次元形状の製品を、高い寸法精度で、かつ、一回のサイクルが数秒から数十秒という驚異的な速度で大量生産できる点にあります。現代のものづくりにおいて、プラスチック製品の製造を支える最も中心的で、不可欠な基幹技術です。
既編

機械材料の基礎:マグネシウム合金

マグネシウム合金は、実用金属の中で最も軽量であり、その比重は鉄の約4分の1、アルミニウムの約3分の2にあたる1.74g/cm2程度です。この圧倒的な軽さに加え、優れた比強度、比剛性、そして実用金属中で最高の振動吸収性を有することから、省エネルギー化や運動性能の向上が求められる現代の産業界において、極めて重要な構造材料としての地位を確立しています。かつては腐食しやすい、燃えやすいといったネガティブなイメージが先行し、その適用範囲は限定的でした。しかし、近年の合金設計技術の進歩や、高純度化による耐食性の劇的な向上、さらには難燃性合金の開発により、自動車、航空宇宙、携帯電子機器、医療機器といった先端分野での採用が加速しています。
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