鋼材

機械要素

機械要素の基礎:型鋼

形鋼は、建設、土木、造船、機械製造といった多岐にわたる産業分野において、構造物の骨格を形成する最も基本的かつ重要な鉄鋼材料です。その定義は、棒状の圧延鋼材のうち、その断面が円形や正方形といった単純な形状ではなく、H型、L型、溝型といった特定の断面形状を持つものを指します。形鋼の最大の特徴は、限られた断面積、すなわち限られた重量の材料を用いて、曲げモーメントや座屈荷重に対する抵抗力である断面二次モーメントや断面係数を極大化させる、断面効率の追求にあります。中実の四角い棒を梁として使うよりも、H形鋼を用いたほうが、同じ重量であれば遥かに高い剛性と強度を得ることができます。これは、材料力学における、曲げ応力は中立軸から離れるほど大きくなるという原理に基づき、材料を中立軸から遠い位置に効率的に配置しているためです。
機械材料

機械材料の基礎:高張力鋼板(ハイテン)

高張力鋼板、一般にハイテンとも呼ばれるこの材料は、一般的な軟鋼に比べて、降伏点や引張強さといった強度を大幅に高めた鋼板の総称です。その工学的な本質は、軽量化と安全性という、特に自動車産業において二律背反する要求を、高いレベルで両立させることにあります。同じ強度を維持する前提であれば、軟鋼よりも薄い鋼板を使用できるため、製品全体の軽量化が可能となります。逆に、同じ板厚であれば、遥かに高い強度が得られるため、部材の耐久性や衝突時の安全性を飛躍的に向上させることができます。
表面処理

表面処理の基礎:リン酸塩処理

リン酸塩処理は、主に鉄鋼材料の表面に、リン酸イオンを含む酸性の処理液を用いて、化学的に不溶性のリン酸塩皮膜を生成させる化成処理の一種です。パーカーライジングやボンデライトといった商品名でも知られています。この技術の本質は、めっきのように外部から異種金属の層を「被せる」のではなく、処理液と母材金属自身との化学反応を利用して、母材表面そのものを、新たな性質を持つ安定な化合物層へと「転換」させる点にあります。この化成皮膜は、母材と一体化しているため密着性に優れ、主に塗装下地としての塗膜密着性の向上、あるいは防錆、耐摩耗性の向上といった、多様な機能性を金属表面に付与します。
表面処理

表面処理の基礎:酸洗い

酸洗いは、金属製品の表面に存在する酸化皮膜、スケール(熱間加工時に生成する厚い酸化物層)、あるいは錆といった不要な酸化物を、酸の化学的な溶解作用によって除去する表面処理技術です。ピクリングとも呼ばれます。その本質は、金属そのものではなく、表面を覆っている酸化物を、選択的に溶かし去ることにあります。めっき、塗装、溶融亜鉛めっきといった後工程の品質は、下地である金属表面がどれだけ清浄であるかに大きく依存するため、酸洗いは、これらの表面処理を行う前の極めて重要な前処理として、鉄鋼業をはじめとする金属加工の現場で不可欠な役割を担っています。
機械材料

機械材料の基礎:一般構造用圧延鋼材

一般構造用圧延鋼材は、その名の通り、建築、橋梁、船舶、産業機械といった、社会を構成する多種多様な「一般構造物」の部材として、最も広く、そして大量に使用されている基本的な鋼材です。日本産業規格ではJIS G 3101に規定されており、その規格記号からSS材という通称で呼ばれています。
表面処理

表面処理の基礎:溶融亜鉛メッキ

溶融亜鉛めっきは、鉄や鋼の表面に溶融した亜鉛の皮膜を形成させることで、優れた耐食性を付与する表面処理技術です。古くから用いられてきた信頼性の高い防錆方法であり、建築構造物、道路設備、電力設備、通信設備、農業用設備、自動車部品など、屋外や腐食性の高い環境で使用される鉄鋼製品の長寿命化に不可欠な技術です。
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