機械材料 機械材料の基礎:炭化ケイ素 炭化ケイ素は、ケイ素と炭素が1対1の原子比で結合して形成される化合物で、その化学式はSiCと表記されます。天然には、隕石中にモアッサナイトとしてごく稀に存在するのみで、工業的に利用されるものは、ほぼ全てが人工的に製造されたものです。その最大の特徴は、ダイヤモンドに次ぐ極めて高い硬度と、優れた耐熱性、そして化学的安定性にあります。これらの特性から、古くは研磨材として、現代では過酷な環境下で使用される機械部品や耐熱構造材として、重要な地位を占めてきました。 2025.09.21 機械材料
機械材料 機械材料の基礎:アルミナ アルミナは、アルミニウムの酸化物である酸化アルミニウム(Al₂O₃)を主成分とする、セラミックス材料の総称です。ファインセラミックスあるいはエンジニアリングセラミックスと呼ばれる、工業用に高度な機能性を持たせたセラミックスの中でも、最も代表的で、世界で最も広く利用されています。天然鉱物としてはコランダムとして存在し、そこに微量の不純物が混入することで、ルビーやサファイアといった美しい宝石となります。このことからも分かるように、アルミナの最大の特徴は、その極めて高い硬度にあります。それに加え、優れた電気絶縁性、高い耐熱性と化学的安定性を兼ね備えており、これらの特性を、比較的安価に実現できることから、「セラミックスの標準」とも言える、盤石の地位を築いています。 2025.09.18 機械材料
表面処理 表面処理の基礎:硬質クロムメッキ 硬質クロムめっきは、鉄鋼をはじめとする金属製品の表面に、電気化学的な手法を用いて、硬く、厚いクロムの金属皮膜を析出させる表面処理技術です。工業用クロムめっきとも呼ばれ、その目的は、装飾クロムめっきのような美しい外観を得ることではなく、純粋に機械的な性能、すなわち耐摩耗性、摺動性、耐食性といった、工業製品に求められる機能性を表面に付与することにあります。 2025.09.15 表面処理