大林組は10月19日、シールド工事全体の自動化を目指すシールド自動化システム「OGENTS(Obayashi Intelligent Shield)」について、構成する6つの技術の現場での個別実証を完了したと発表した。先行開発した坑内自動測量システム「OGENTS/SURVEY」とシールド自動運転システム「OGENTS/DRIVE」に続き、掘削土砂搬出、裏込め注入、シールド設備、セグメント組立の自動化技術を開発した。6技術をシールド工事全体に適用した場合、従来の施工体制に比べ40~50%程度の省人化が見込めるという。
開発の背景
シールド工事は、円筒形の掘削機で地中を掘り進めながら、セグメントと呼ぶ円弧状の部材を組み立ててトンネルを構築する工法だ。シールド運転やセグメント組立などの各作業では、経験や技術に基づく判断が求められる。一方で建設業では技能労働者の不足や熟練技術の継承が課題となっており、従来と同等の施工品質を安定して保つには、省力化・省人化につながる自動化技術が欠かせない。
大林組は工事を構成する各作業の自動化技術を開発してきたが、個々の作業を自動化するだけでは十分な省人効果が得られない。そこで各技術を連携・統合して機能させ、工事全体の省力化・省人化を図るシステムとしてOGENTSを構築し、実証を進めてきた。
システムの構成と特長
OGENTSは「シールド自動測量」「シールド自動運転」「掘削土砂自動搬出」「裏込め自動注入」「シールド設備自動化」「セグメント自動組立」の6つの構成技術で成り立つ。各技術から得られる施工データや設備の稼働情報を活用し、掘進管理や施工管理に必要な確認・判断を支援することで、作業の省力化と施工管理の精度向上を図る。
各技術にはAI、機械学習、先進的なセンサー技術などを用いている。従来はオペレーターや作業員がデータを確認し、経験に基づいて判断していた作業について、自動で一定の技術的判断を行うことで判断基準のばらつきを抑え、安定した掘進を実現する。
実証の結果
2021年3月から国内10カ所のシールド工事現場で、工事条件などに応じて6技術の実証を進めてきた。シールド自動測量では測量精度を確保しながら、従来2人で行っていた測量作業を1人で実施できることを確認した。シールド自動運転ではトンネル線形精度を確保しつつオペレーターの作業負担を軽減でき、セグメント自動組立では危険な切羽での作業を回避し、オペレーター1人で高精度な組み立てが可能になった。
このほか、切羽の安定による地盤変状の抑制、トンネル線形の保持、セグメントの損傷リスク低減など、施工品質の安定化と施工管理の高度化への有効性も確認した。
今後の展望
大林組は2027年12月までに、OGENTSを構成する全技術を一つの現場に実装し、シールド工事全体の自動化に向けた統合実証を行う。各技術を連携させた場合の省人化効果や施工管理上の有効性を検証するとともに、実工事への適用に向けた運用方法を確認する。結果を踏まえて各技術の精度向上と連携強化を図り、工事条件に応じた部分的な活用も含めて適用範囲を広げる方針だ。
出典:大林組プレスリリース(2026年10月19日) https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20261019_1.html



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