清水建設、急性期病院の救急対応を平時から災害時まで支援する「Hub360」を開発

建設防災

清水建設は11月4日、急性期病院の救急対応を平時から災害時まで支援する業務支援システム「Hub360(ハブサンロクマル)」を、NTTデータの協力を得て開発したと発表した。救急対応に必要な院内のリソースや患者ごとの処置などのタスクを可視化し、急性期病院の収益向上と医療サービスの質の向上につなげる。近くクラウドサービスとして提供を始める。同社によると、平時と災害時の両方で急性期病院の救急対応を支援する国内初のシステムだという。

平時:受け入れ判断を迅速化

平時は、空床や医療スタッフ、医療機器、諸室の状況をリアルタイムで可視化する。受け入れ可能な診療科や受け入れが難しい症状、手術室や人工呼吸器、CT、MRIの空き状況などを一覧でき、救急患者を受け入れられるかどうかを素早く判断できる。

あわせて、トリアージ区分や処置の進み具合などのタスクを可視化し、遅れているタスクにはアラートを出して医療サービスの質を高める。

災害時:災害対策本部の意思決定を支援

災害モードに切り替えると、スタッフの安否や参集までの所要時間、救急処置エリアにいるトリアージ区分別の患者数、対応できる医師・看護師の数などを可視化する。災害対策本部の迅速な意思決定と医療の継続を支援する。

令和2年7月豪雨の教訓から開発

高齢化を背景に救急医療の需要は今後も高い水準が続く見通しで、病院には需要を取り込み院内リソースを最大限に活用することが求められている。一方で、受け入れ判断に必要な情報は院内に分散しており、人手で集めるため時間がかかり、受け入れの取りこぼしにつながっているという。

開発のきっかけは、災害拠点病院であるJCHO人吉医療センター(熊本県人吉市)での経験。同センターは令和2年7月豪雨で浸水し、インフラや通信が途絶えるなか、水害発生後の2日間で平時の10倍にあたる救急搬送に対応したが、現場は混乱した。その教訓から、スタッフの参集状況や居場所、機器や諸室の空き状況をリアルタイムで把握する必要性が浮かび上がった。

清水建設は同センターと災害時のタイムラインを検討するなかで、電子カルテなど院内の既存システムと連携し、平時と災害時の両方で使えるシステムが必要と判断。同センターの試作システムを基にHub360を開発した。試作システムは同センターの災害訓練でも検証している。

2030年度までに50件の受注目指す

  • 約4年にわたり医療現場で性能を実証
  • JCHO人吉医療センターが導入を予定・検討しているほか、複数の医療機関が導入を検討
  • 年間の救急搬送受け入れ件数が2,500件超の急性期病院を主な対象とする
  • 2030年度までに50件の受注を目指す

出典:清水建設 ニュースリリース(2026年11月4日) https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2026/2026045.html

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