JR東海、次期新幹線「S0系」を投入 2029年7月営業開始

インフラ鉄道

JR東海は10月16日、N700S以来のフルモデルチェンジとなる次期東海道新幹線車両「S0系」の製作を決定したと発表した。運転士が乗務したまま自動で走行する自動運転システム「GOA2」を搭載し、安全性や利便性・快適性、環境性能を高める。N700Sと同様に、編成両数を柔軟に組める「標準車両」とする。営業運転の開始は2029年7月を予定している。

名称は、東海道・山陽新幹線の新たな進化の起点を示す「0」に、Shinkansen と Supreme の頭文字「S」を組み合わせた。

自動運転(GOA2)で安定輸送

40GHz帯のミリ波列車無線で受信したダイヤ情報などから、省エネとなる計画速度を設定する。運転士が出発ボタンを押すと、計画速度に従って自動で走行し、定時到着と定位置停止を行う。走行中に徐行などが発生しても、最新の情報で計画速度を自動更新して回復運転を行い、遅れを最小限に抑える。

定位置停止を行うTASC(定位置停止装置)は2026年9月から全営業列車で使用を始めている。運行管理システム「コムトラック」からの運転情報をミリ波で車上に伝送する仕組みは、2030年度末から使用を開始する。

地震時の列車停止を早期化

ミリ波列車無線を使った早期地震検知システムを導入し、地震検知からブレーキ開始までの時間を現行の約2秒から約0.2秒へ、約10分の1に短縮する。ブレーキ制御も改良し、285km/hからの地震時のブレーキ距離をN700Sより約5%短くする。

グリーン車のサービスを強化

グリーン車には2タイプの座席を用意する。8号車(68席)と9号車(64席)は多機能アームレスト座席、10号車(48席)はパーティション座席とする。10号車には「Supreme Class Seat」(6席)と「Supreme Class Cabin」(1席)も設ける。

  • 9号車デッキ部にパウダーコーナーを新設
  • 9・10号車に「S Wi-Fi for Biz」を導入し、8~10号車に5G対応の透明ガラスアンテナを搭載
  • フルアクティブダンパの制振制御を改良し、すれ違い時の横揺れを約10%低減(7~10号車)
  • リクライニング角度の調整と跳ね上げ式フットレストの採用で、足元スペースをN700Sより約14cm広い49cmに拡大

グリーン車のサービス向上策は、2027年12月以降に投入するN700Sの新製車両から先行して導入する。

普通車を含む共通設備も充実

  • デッキ部の荷物置場を6カ所から9カ所に増設(3・7・15号車)
  • 客室の荷棚スペースを先頭車で約25%、中間車で約5%拡大
  • 女性専用トイレのスペースを約25%広げ、ベビーベッドを新設
  • 男性専用トイレを折り戸から引き戸に変更し、洗面所の間口を拡大
  • 共用トイレを設置

環境性能の向上

先頭形状には、N700Sの「デュアル スプリーム ウィング形」を進化させた「ツイン リーメクス形」を採用した。風切羽をモチーフにした形状だ。空気抵抗の低減や自動運転、効率的な機器の搭載により、編成全体の消費電力量をN700Sより約6%削減する。

車体には廃車から得た再生アルミ部材の使用を広げ、構体での使用割合をN700Sの約14%から約20%に高める。車体素材はほぼすべてをリサイクル可能なアルミ材に統一し、水平リサイクルを進める。

投入計画

2028年8月に確認試験車1編成を投入したうえで、2029年度から2032年度上期にかけて計25編成を投入する。2032年度下期以降の計画は未定としている。

年度2029203020312032(上期)計
編成数877325

また、S0系の新機能の一部は既存のN700SとN700Aにも改造工事で追加する。自動運転や早期地震検知システム、ブレーキ制御の改良は2029年10月以降、グリーン車の座席やパウダーコーナーなどは2028年4月以降、Wi-Fiサービスの拡充は2027年1月以降に順次実施する予定だ。

出典:JR東海プレスリリース(2026年10月16日) https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000046070.pdf

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