政府は10月23日、「令和7年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2026)を閣議決定した。エネルギー政策基本法に基づき、エネルギー需給に関して講じた施策の概況を毎年国会に報告するもの。今年度は前年度の施策状況に加え、「福島復興の進捗」「中東情勢における事態の推移と各国の動向」「中東情勢を踏まえた日本の対応」の3点を重点的に取り上げた。
福島復興の進捗
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉では、3号機で燃料デブリの大規模取り出しに向けた準備工程を具体化した。1号機では使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けて大型カバーの設置を完了し、ALPS処理水の放出に伴ってタンクの解体にも着手した。
帰還に向けては、「特定帰還居住区域制度」に基づき、2025年7月までに大熊町、双葉町、浪江町、富岡町、南相馬市、葛尾村の復興再生計画が認定され、このうち5町村では2026年3月までに計画の変更が認定された。「福島イノベーション・コースト構想」を軸とした産業発展の青写真の改定を踏まえ、事業・なりわいの再建や新産業の創出も進む。2026年9月には福島新エネ社会構想の「加速化プラン2026」を策定し、再生可能エネルギーの導入拡大と水素の社会実装を進める。
中東情勢の推移と各国の動向
中東はアジア諸国のエネルギー供給にとって重要な地域で、ホルムズ海峡はエネルギー輸送の要衝となっている。2026年2月末に米国・イスラエルとイランとの間で攻撃の応酬があり、その後ホルムズ海峡の通航が困難な状況が生じ、エネルギー安全保障に大きな影響を与えた。白書では、事態の推移とともにエネルギー価格や海上輸送への影響を分析し、アジア各国の石油などをめぐる状況と政策対応を整理した。
日本の対応
日本の対応としては、世界に先駆けた石油備蓄の放出、原油の代替調達の拡大、価格高騰への対策など、国民生活や経済活動への影響を和らげる取り組みを概観した。あわせて、石油危機以降の日本のエネルギー需給構造の変化を確認し、中東情勢を踏まえて需給構造をさらに強靱化する方向性をまとめている。
出典:経済産業省ニュースリリース(2026年10月23日) https://www.meti.go.jp/press/2026/10/20261023001.html
エネルギー白書2026(資源エネルギー庁):https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2026/pdf/



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